台北のノスタルジックな問屋街で台湾茶を満喫

仙台で問屋街と言えば、若林区の卸町ということはよく知られています。文字通り卸問屋が立ち並ぶその一画は昔でこそ関係業者以外にはなかなか縁が無い地域でしたが、意外にも個人での買い物も歓迎されるとあってか近年ではじわじわと人気のスポットとなりつつあるようです。これはおそらく仙台地下鉄東西線が開業してアクセスが便利になったことも大きな要因の一つなのかもしれません。

仙台市若林区卸町(おろしまち)。 仙台市中央卸売市場をはじめ、多数の会社や卸問屋が立ち並ぶ一画で、仙台市や宮城県の経済活動に今...

さて、台湾旅行の3日目。ガイド役として現地で合流してくれた弟氏が仕事の関係で先に帰国することとなり、ここからは父と私の二人旅になりました。もちろんこれは事前にわかっていたことなので、「九份ツアー」を予約していた夕方までのフリータイムをどう過ごすかは調べていたわけです。

どうやら「迪化街」という問屋街が面白いらしい。しかも、朝市を見学して弟氏と別れた「雙連駅」からは歩いて行けそうだとのこと。よ~し。ここを少し探検すべく、行きたいお店をピックアップ。

▼ 台湾式セブンカフェでまずは休憩。アメリカーノ(ブレンドコーヒー)のMは35元。Sは20元。

▼ てくてく歩きながらGoogleマップで目的のお店を探します。どうやら近いぞ。

▼ ここだ!どうしても立ち寄りたかった台湾茶の卸問屋である「三才茶荘」。シブすぎる。

実のところ、今回の旅行で楽しみにしていたことの一つが台湾茶。すべてお土産でいただいたものでしたが、初めて「凍頂烏龍茶」や「高山烏龍茶」を飲んだ時の驚きは、今でも鮮明に覚えています。

それ以来、台湾茶にハマり・・ということまでには至らず、たまにネットで購入したりといった具合でした。なにせ、私たちにとって台湾茶を気軽に購入する環境は、まだまだ整っていないわけです。

ちょうど一年前に台湾へお邪魔した我が家のカミさんが購入してきた凍頂烏龍茶がそろそろ無くなりつつあった状況下で、台湾茶を買ってくるべし!と司令が下ったのは当然と言えば当然であります。

そこで事前に調べておいたのが、「迪化街」にお店を構える「三才茶荘」という台湾茶の問屋さん。おそらく、そこに行けば台湾茶は売るほどあるに違いない。いやいやおそらく売っているのだろう。

▼ あ然・・。見るからに問屋然とした店内には、やはり台湾茶が売るほどありました。

▼ 応対してくださったのはお母さん。十分に通じる日本語を話してくださってひと安心。

▼ 質の良い台湾茶をどんどん試飲させてくださいます。香り用と風味用の二つの茶器。

▼ コレハ東方美人。少シ紅茶の風味ガシマスヨ~。あらホントだ!美味しい!

▼ 台湾茶の大人買い。プーアル茶だけは大陸モノでそれ以外は台湾産。

終始笑顔でとても感じの良かった「三才茶荘」店主のお母さん。ネット上の情報では、日本に留学をされていた日本語ペラペラの娘さんもいらっしゃるらしいとのことでしたが、この日はご不在だったようです。しかしながら、お母さんがお話しになる日本語でも台湾茶の売買は十分に成立します。

はたして台湾茶をここで買うことが一番良い方法なのかどうかはわかりませんが、私のような素人はプロのお茶問屋を頼るほうが確実なわけです。日本国内からも直接注文が入るという「三才茶荘」。また台湾へお邪魔する機会があれば、おそらく必ず立ち寄らせていただくお店になるのでしょう。

▼ お腹をチャポチャポさせながら、さらに迪化街を散策。

▼ いわゆる「乾物屋」がとても目立つ一画。

そしてもう一店舗。こちらはカミさんが昨年に購入したガイドブックに載っていたお店で、何となく直感的に良さそうだと感じていた「南街得意茶館」。道路に面したお店ではないために少しわかりにくかったのですが、ここでもスマホのGoogleマップが大活躍。どうやらリノベーションして様々なお店の集合体となった場所らしく、茶館への階段は茶器などを販売するお店の中ほどにありました。

▼ 階段を上がると、そこは実に素敵なお店。

▼ 仙台の名店、一番町「モーツァルト」を彷彿とさせる店内の部屋。

台湾ではお茶と言えば台湾茶。そして台湾茶を飲ませてくれるお店を茶芸館や茶館と呼ぶらしいのですが、その明確な定義はよくわかりません。現代の日本で言で言えば「カフェ」なのでしょうが、意味合いとしては喫茶店や茶房と考えたほうが良いのかもしれません。そしてここ「南街得意」はまさに喫茶店の様相。食事系は出さずに、お茶請けをいただきながら台湾茶を愉しむお店のようです。

▼ メニュー番号の茶葉が用意され、香りをテイスティングしてからオーダーします。

▼ メニューには日本語。そして若いスタッフも一生懸命に日本語で接客してくださいます。

▼ 台湾名産のお茶請けがセットで一人280元。

お店の内装、台湾茶のオーダーシステム、若いスタッフの接客、そしてもちろん本場の台湾茶とお茶請けの美味しさ。南街得意茶館は、この上なく実にお洒落で素敵なお店でした。この日は平日で空いていましたが、観光シーズンには日本人観光客にも人気店だとのこと。これは確かにうなずけます。

実に楽しい探検となった迪化街の散策。本来はもっと時間を掛けたかったのですが、この日の夕方からは「九份ツアー」も予定されていたために、ここいらでホテルへ戻って足を休ませることに。

仙台の問屋街である「卸町」も実に面白いわけですが、台北の問屋街「迪化街」はどこかノスタルジックで非常に魅力的。とても短時間では探検しきれないそのディープさが、後ろ髪を引くのでした。

お便り

  1. 宮古ガイド より:

    先に朝市会場から帰ってしまったので、その後どうなったのか2ヶ月もの間心配でしたが良かったです。
    お茶を堪能されたようでなによりです。
    この前テレビで九份は週末は凄い混雑だみたいなのがやってましたが、実際どれくらい混んでいたのか心配です。

    • ジョン万乃助 ジョン万乃助 より:

      宮古ガイドさん、ご来店ありがとうございます。

      モバイル端末とネットワーク環境の進化で、海外の旅も格段に便利になりましたね。
      黄色い「地球の歩き方」を片手に持って旅をしていた昔が懐かしく感じます。

      九份は本当に激混みで、階段で事故が起きやしないかと少し心配するほどでした。また記事にしますのでご覧になってください。