長崎ちゃんぽんか老舗の茶碗蒸しか

これまでの人生で、福岡県と大分県と熊本県には足を踏み入れたことがある九州。そして今回の旅で初めてお邪魔することになった長崎県。平戸や島原、佐世保やハウステンボスなど、一度は耳にしたことがある観光地は多いようですが、1泊2日という短期スケジュールのなかで選んだのは長崎市。

ざっくり言えば、長崎空港は長崎県の中央に位置し、北部に佐世保やハウステンボス。一方で、長崎市は南部に位置するわけです。よって、今回のような日程では北か南のどちらかを選択しなければならず、やはりまずは歴史的にも観るべきところの多い長崎市を訪れることにしたのであります。

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宿を取ったのは、「長崎にっしょうかん」という比較的大型のホテル。隣国からの団体客も多かったのは、規模のわりにリーズナブルだからなのかもしれません。内外ともに経年相応の老朽化が散見され、シャワーの水圧も弱いなどの不満がありましたが、市街地を見下ろす小高い山の中腹に建つロケーションは、私たちに見事な眺望をもたらします。それを勘案すればコスパは高いと言えそうです。

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さて、長崎空港からホテルまでは、高速道路を通って1時間弱。約40kmですから、想定以上に走った感があります。関西空港発が遅れたことで、チェックインの後に部屋でゆっくりする合間もなく、早々に夕食へと出かけることにしたわけですが、そこで問題となるのが、何をいただくのかです。

長崎と言えば、長崎ちゃんぽん。あるいは皿うどん。それ以外には思いつかないほど、全国約に浸透している名物と言えそう。そこで、長崎市出身の福山雅治氏が絶賛するというちゃんぽんや、長崎中華街の各店などを事前にネットで調べていたところ、実に興味深いあるお店が目にとまりました。

茶碗むしの老舗?蒸寿し?なにそれ。1866年の創業?わお。すごい。まさに西洋文明の開化地となった長崎。当時に来往した多くの外国人を、この茶碗むしと蒸寿しで迎えたのかもしれないと考えると、なんとなく歴史のロマンを感じてしまったのであります。しかも、ちゃんぽんは次の日の昼食でもいいし、茶碗むしや蒸寿しなら高齢の父にもぴったりの食事かもしれないと思ったわけです。

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長崎市の中心街にお店を構える「吉宗」。「よしむね」ではなく「よっそう」だということには驚きましたが、創業者の名を逆さにした店名をそう読ませるには、何か理由があるのかもしれません。

その吉宗。平日ということもあってか予約無しでも入ることができたのは幸いでしたが、老舗感を存分に表現している店構えに少しだけビビる私。しかし大丈夫です。事前に献立内容も確認しておきました。そして予想は的中。おそらくこれになりそうだと思われる「茶碗むし定食」に父も興味津々。

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おそらく、これほどの量の茶碗むしを一度に食べたのは生まれて初めて。しかしながら、これが具だくさんで熱々で絶品。トロトロの茶碗むしがスルスルと口の中へ入る動作が止まらなくなるのです。

父は父で、三色蒸寿しの桜でんぶにも感動。これを口にするのは50年ぶりかもしれないと。たしかに、私が子どもの頃はよく食卓に出てきたわけですが、50年ぶりというのは少し大げさでしょう。

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ちなみに、今回にいただいた「茶碗むし定食」は一人前で1,944円。食堂以上で割烹未満といった雰囲気が漂う創業150年の老舗店の夕食としては、その味やサービスを含めても決して高いとは思いませんでした。実に心地よい時間を過ごすことができた「吉宗」。長崎のよき思い出となりそうです。

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さて、今も現役で市電が走る長崎市。仙台もかつては市電が走っていましたが、残念ながら仙台生まれではない私は未体験のまま廃止となりました。そこで、今回は機会があれば長崎市電に乗ってみたかったわけですが、それには乗り物好きな父も大いに賛同。吉宗の会計時に店舗からもっとも近い停車駅をお聞きし、ホテルへ戻る前の時間を利用し、まったくあてもなく市電へと乗り込んだのです。

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ちょうど日没時。19時半過ぎからの風情ある市電の旅。旅と言っても、乗り込んだ電車の終点駅まで行き、その後は別路線の電車を待ち、ホテルが近い諏訪神社前駅で下車したという短い時間でしたが、おそらくこれも長崎市の旅の醍醐味なのかもしれません。そして、すっかり日が落ちた後にホテルの部屋で私たちを待ち受けていたのは、日本三大夜景と称される見事な長崎の夜景なのでした。

長崎にっしょうかんをお調べします

お便り

  1. 宮古ガイド より:

    茶碗蒸し行きましたかー!候補には上がってはいましたが、自分が行った時はやはりちゃんぽんとトルコライスに行ってしまいました。
    短い時間で長崎を満喫されたようで何よりです。時間は是非こってり長崎ちゃんぽんを!

    • ジョン万乃助 ジョン万乃助 より:

      宮古ガイドさん、ご来店ありがとうございます。

      まずは茶碗むしで老舗の風格を味わってきましたが、トルコライスとミルクセーキにも興味津々でした。さらには、長崎県は漁獲量も多くて新鮮な魚も美味しいらしいですね。
      結局のところ1泊2日では数食しか食べられませんので、是非ともリピーターになって残してきた課題をやっつけたいものです。