さて、話は台湾旅行記に戻ります。前回の記事はこちら。
「猫空」の茶芸館で至福の時間を過ごした後、もう少しだけ散策することに。向かった先に待ち構えていたのは「茶推廣中心」。むむむ。当然のことながら行く先々で真っ先に目に飛び込んでくるのは中国語なのですが、これが当初の予想に反して意外に難解です。もちろん初めて訪れた中国語圏内なので致し方ありませんが、ある程度は基本的なルールを覚えておくと案外楽なのかもしれません。
例えば下の標識。「茶推廣中心」には「Taipei Tea Promotion Center」と英語の表記もあるわけですが、私たちにはこちらの方が理解しやすいようです。そして「中心」は「Center」のことだと知ることになり、この後の旅程でも街中で「○○中心」を目にした際にそれを思い出すことになります。
正式には「台北市鐵觀音包種茶研發推廣中心」。およよ。いっそう難解になってしまいましたが、先ほどの英語表記通り鉄観音茶のプロモーションセンターのようです。なるほど。事前の情報によれば「猫空」一帯が鉄観音茶の産地だとのことでしたので、おそらくそれを紹介する施設なのでしょう。
▼ もちろん入場は無料。初めて拝見するお茶のプロモーションセンターに興味津々。
▼ 入ってすぐに弟氏から案内された「鉄観音茶飲み放題蛇口」コーナー。おぉ!スゴい!
▼ これは面白い!熱い鉄観音茶がジャバジャバ出てきます。しかも立派なティーカップ。
▼ この地で鉄観音茶が作られるようになった歴史が案内されていました。
▼ お茶を作る際に使用する数々の機械が展示されています。
しばしのティータイムと学習の時間。どうやらこの猫空付近で作られるものは「木柵鉄観音」と呼ばれ、中国本土の福建省で作られるものに次ぐ代表銘柄なのだとか。最盛期に比べればここでの生産量は落ちてきているとのことですが、台北市内からそう遠くないこの施設は意外にも貴重な存在です。
▼ てくてく歩いて猫空駅に戻り、復路の猫空ロープウェイで下山中。それにしてもいい天気!
ロープウェイによる猫空の旅も無事に終え、麓へ戻ってきた私たち。ガイドの弟氏から声が掛かりました。せっかくなので動物園に寄ってパンダだけでも見ていきましょうか!なぬぅ?パンダだって?
ほとんど旅の下調べをしていなかったせいか、台湾にパンダがいることなど知る由もありませんでした。そう言えば、猫空に行くために降りた駅は終点の「動物園駅」。正式には「台北市立動物園」。
入園料はNT$60(約210円)でしたが、ここでも入園ゲートで「悠遊カード」が使えるとあってチケットを買う手間も省けて実に便利でした。それにしても今回の旅行でパンダを見ることになるとは。
私たちの世代にとってパンダと言えばリンリンランラン。いや違う。リンリンランランはパンダではなく「恋のインディアン人形」。パンダと言えばカンカンランラン。中国から日本に贈られ、上野動物園へと到着した初代のパンダ組でした。それ以来、私たちは日本国内でパンダを目にするチャンスが大いにあったわけですが、残念ながらこれまで私にその機会が訪れることはありませんでした。
そうです。私は生パンダを見たことがないのです。もちろん八木山動物公園へ行ったことはありますが、上野動物園へ行ったことがないからです。おそらくパンダはぬいぐるみに違いない。だいたいにして、あのような毛色を持った動物がこの世にいるはずはない。心のどこかでそう思っていました。
▼ いわゆる「パンダセンター」の内部。フラッシュ無しでの撮影は許可されています。
▼ 台湾でジャイアントパンダは「大猫熊」。猫の熊とは言い得て妙です。
▼ こんな毛色の動物なんて、この世にいるわけないでしょ。耳と目の部分が黒なんて。
▼ あれれ!これ、ぬいぐるみ?ホンモノ?
▼ シロクマとツキノワグマが混ざったような・・。
▼ 出た~!パンダだ!顔の骨格は微妙に熊とも違うような雰囲気。これがパンダなのか!
▼ 絵に描いたように笹を食べるパンダ。この姿に感無量。
正直なところ、生まれて初めて目にするパンダは私に想像以上の興奮をもたらしました。これまで写真や映像でしか見たことがなかった新種の動物が、ガラス越しとはいえ目の前で動いているのです。
これがパンダなんだ。確かに貴重な動物なのでしょう。この毛色。このしぐさ。熊のようでいて熊じゃない。もちろん猫なんかではありません。レッサーパンダとは区別してジャイアントパンダと呼ぶ白黒のパンダ。この日は平日の夕方近くということもあってか、ゆっくり見られたのが幸いでした。
パンダの興奮さめやらぬままホテルへと戻り、しばしの休憩を。この日の夕食は夜市へ行くとのこと。わぉ。台湾旅行で初めての夜市体験。弟氏によると、向かう先は士林夜市。興奮は続くのです。