我が家では年に一度の器類の仕入れ日となっている「蔵の陶器市」。秋晴れに恵まれた先週末に、村田町まで出掛けてまいりました。今年で14回目を数えるという「蔵の陶器市」。すっかり定着した感があり、その情報も徐々に広がりを見せているようで、私の周囲でも是非とも行きたいので開催時期を教えて欲しいという声が聞かれるようになりました。今回はそのなかで友人夫妻をご案内。
年齢とともに、変わるものと変わらないものがある趣味嗜好。例えば音楽の嗜好は若い頃からほぼ変わっておらず、クルマや服飾関係については少しずつ考え方が変わってきたようです。以前にはまったく見向きもしなかった陶器類や古い建造物に対し、穴のあくほどしげしげと見入っている自分におかしくもなりますが、陶器市が開催されている会場の町並みに決して若者があふれているわけではない状況を見ると、自分自身も順当に歳を重ねてきているのかもしれないと実感するのであります。
会場となっている蔵の町並みを、国が「重要伝統的建造物群保存地区」であると正式に選定したのは先月のことだそうです。東北では、秋田の「角館-武家町」や福島の「大内宿-宿場町」などでも有名な、日本の文化財保護法に規定する「重要伝統的建造物群保存地区」。今後はその欄に宮城県で初となる「村田町-商家町」が加えられたことは快挙であり、宮城県民としても実に喜ばしい限り。
先の震災の影響が未だに色濃く残る蔵の町並み。国の選定を受けたことにより、被害のあった建造物群に少しでも多く修復の手が加えられ、いずれは100年以上前の町並みが忠実に復元されるようになるのかもしれません。来年は節目となる第15回。唯一無二の陶器類はもちろん、この町並みがどうなるのかが今から実に楽しみであります。できることなら、主催側や陶芸家の皆さんには当時の衣装で迎えていただけないものかと。訪れる私たちに、是非とも夢のタイムスリップの時間を。
昨年の様子はこちらから。