みちのく海鮮 海仙道楽

先日の「敬老の日」。文字通り「老を敬う日」ということなのでしょうが、個人的には子供の頃から祖父母を敬う日といった習慣がありました。父の日があって母の日もあり、そして敬老の日。つまり、兄や弟以外の家族全員に感謝しなさいというわけです。やがて大人になり祖父母が亡くなってから、「敬老の日」はただの祝日になりました。敬う2人は天国にいるからです。

しかしよく調べてみると、敬老の日は「国民の祝日に関する法律」によって「多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う」ことを趣旨としているではありませんか。あららら。老人という解釈が微妙ですので、兄や現役の諸先輩方に一報を入れるわけにはいきません。しかし、どうやら親は該当しそうです。社会につくした老人を敬愛し、長寿を祝うのですから。

ということで先日に実家の父へ表敬訪問をすることにしたのですが、昼抜きの午後ということもあってか小腹が鳴いています。たこ焼き?焼そば?なんとなくその程度の腹具合なのですが、どうも適当なお店が思い浮かびません。あ!あそこはどう?菅生のパーキング!

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例によって、高速道路ではなく下道からお邪魔したのは東北自動車道の「菅生PA」下り線。新しく綺麗になった施設にカミさんは目を丸くしていましたが、フードコートの中でふと立ち止まったのが、海鮮丼を提供する「海仙道楽」。え?ここ?小腹を満たすんじゃなかったっけ?

どうやら人間は、食べるモノに応じて小腹が大腹になったり別腹になったり変化するようです。確かに美味しそうではありますが、この施設のなかでは「牛たん」と同等の価格ランキング。間違っても私のような足軽クラスが食べる昼食のレベルではありません。マジで?これにすんの?すっげ~太っ腹。ほいじゃ、私もこれをいただいて腹を太らせることにしましょう。

カミさんは「塩釜港まぐろ丼」を、私は「海仙道楽丼」を注文して前払いし、カウンターでいただくことにしました。あらかじめ仕込まれているネタを目の前で盛り付け始めてくださるわけですが、この寿司屋風の雰囲気に何となく期待が高まります。やがて熱々の味噌汁と共に提供された海鮮丼二品。おぉ?いいんじゃないっすか、これ。予想以上の出来栄えです。

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「塩釜港まぐろ丼」が1,200円で「海仙道楽丼」は980円と、街ナカの専門店でいただく価格に比べれば決して高いとは言えないのかもしれませんが、正直なところ期待を裏切られる可能性も多少は覚悟していたわけです。しかし、その心配などはまったく無用だったようです。

きっちり仕込まれた新鮮な刺身が適度にシメられた酢飯の上に盛られているのですが、これが予想以上に美味しいのです。「海仙道楽丼」に盛られた「笹かまぼこ」を見て思わずニヤリとしてしまいましたが、山の中のパーキングとも言える「菅生PA」でこれだけの魚が食べられることは、心地良い違和感と共に宮城の「食」を上手く表現していると感心してしまうのです。

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私に比べればはるかに酒宴の席が多いカミさんも美味しいと言っていた「海仙道楽」の海鮮丼。舌が肥えた皆さんがどう判断されるかは分かりませんが、少なくとも私にとっては意外な場所での意外なご馳走となりました。「菅生PA」裏の田んぼには、稲刈りを待つ実りが。出来ることなら、海鮮丼の米はこの裏で収穫したものです!というストーリーも欲しいところであります。

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