私が初めて自転車を買い与えられたのは、おそらく小学校低学年の時期だったでしょうか。確か中学生の頃には、ウインカーやヘッドライトなどの豪華電飾付きの自転車が日本中で流行りだし、交差点を曲がるたびに「ピピピッ ピピピッ」と鳴らして喜んでいたのを憶えています。
その後、高校へ進むにしたがってバスと汽車(電車)を利用するようになり、やがて原動機付自転車の免許を取得、そしてその半年後には普通自動車免許を手に入れることになり、自然に自転車からは遠ざかっていったようです。「エンジン」に魅力を感じた時代だったのです。
今回の震災は、多少なりとも私たちに考え方の変化をもたらしたのかもしれません。エネルギーのことや生活様式のことなど、便利と不便は紙一重だということを痛感させられました。井戸で水を汲み、薪で風呂を沸かし、炭でご飯を炊き、汲み取り式便所で用を足す。といった私の年代が知っている昔の生活であれば、これほどパニックになることはなかったのでしょう。
中学時代には、実家のある町から20数キロ先の亘理町鳥の海まで友達と出掛けてみたりと、思い起こせば昔は自転車もよくこぎました。同年代の仙台の友人などに聞いても、昔は仙台市内から荒浜あたりまでは自転車で行ったものだと口を揃えて言うのであります。
今月の初旬に、友人と二人で仙台市内を自転車で走った時の爽快感。まるで様々な不安を取り除いてくれるかのような春の陽射しと風に当たりながら、何とも言えない心地良さを感じたのです。
それが私の背中を押すことになったのは間違いありません。インターネットで調べに調べて結局のとこと購入したのは、スポーツデポ(アルペングループ)が販売しているオリジナル自転車だという「IG-Gスポーツ44」というもの。カメラのレンズでも買おうかと思って以前から取って置いた少しばかりのヘソクリ。それを出して万歳してしまいそうになる価格は、29,900円也。
ネットなどで諸先輩方のご意見を拝見すると、最低でもGIANT社製にしなさいなどという意見が多いのですが、今回は残念ながらそこまでの予算はありません。しかも自転車本体以外に揃えるモノの出費も考えると、これが精一杯。どうやら最低ランクのパーツを組み合わせた自転車らしいのですが、泉区のスポーツデポで現物を確認しても、私には分かりません。
スポーツデポで鍵とサイドスタンドを同時購入し、さっそく自転車を整備していただいている間に、これもネットで調べた宮城野区扇町にある「ストレート」というパーツ屋さんへ空気入れと部屋置き用スタンド、そしてパンク修理用のタイヤレバーを買いに走り、戻ったところでちょうど整備終了。乗って帰るつもりはありませんでしたので、前輪を外してクルマで自宅まで運んだのでした。
以後の二日間、カミさんから口をきいてもらえなかった事は耐えるしかありませんでしたが、今後はあまり家族を悲しませることなく、少しずつ自分のバカも治しながら、カラダを鍛えつつ自転車のことも楽しんで勉強していきたいと思います。