その昔にレコードでリリースされたアルバムがCDとなって再販されることがあるのですが、私もいくつか、レコードを持っているにもかかわらず再販CDを手に入れてしまったものがあります。
中学の時に聴いたチューリップの「TAKE OFF」や、高校生になって聴いたサディスティック・ミカ・バンドの「HOT! MENU」、そしてこの来生たかおのデビューアルバム「浅い夢」。様々な昔の音源がCD化されて、非常に嬉しい限りです。
当時、どうしてこの来生たかおの、しかもデビューアルバムと出会ったのか憶えていないのですが、買ってすぐ家に持ち帰り、このレコードのA面に針を落として一曲目に収められている「浅い夢」という曲を聴いた瞬間、最後まで身体を動かせなかったことを憶えています。
なんと言うか、当時のミュージシャンの誰にも似ていない独特のメロディラインと、今で言うところのまったりとした曲の雰囲気、そして彼の歌い方がとても心に響いたのでしょう。
このアルバムでデビューした彼は、その後お姉さんとのコンビで数々のヒット曲を生み出しましたが、正直なところ彼の音楽はこのアルバム以外に購入していないのです。
「王様のレストラン」で書かせていただいた平井堅のデビュー曲にしても、この来生たかおのデビュー曲にしても、おそらく多くのミュージシャンがデビュー時に選ぶ曲は、その人の音楽性が凝縮しているような気がするわけです。コレを聴いて欲しいんだ、という願いとともに。もちろん、その時に売れたのか売れなかったのかは別として。
まったりとした「浅い夢」は何度聴いても名曲だと思いますが、5曲目に収められている「雑踏」という曲も、昔の彼らしい大人っぽく落ち着いた曲で、なかなかいいなぁと思っています。