先日に白石で「うーめん」を食べた帰りに立ち寄って買ってきたのが、白石のご当地まんじゅうとも言える仙加苑の「足軽まんじゅう」。もしかしたら仙台ではあまり知られていないのかもしれませんが、個人的には高校時代の3年間を白石で過ごしたり、父親が現役の頃に白石で勤務していたことがあったりと、昔からこの足軽まんじゅうが口に入る機会は多かったのです。
考えてみれば「仙台」と「まんじゅう」はなかなか結びつかず、思いつくとすれば「玉澤総本店」の黒砂糖まんじゅうぐらいでしょうか。また、宮城県を見わたしても個人的に頭に浮かぶのは、北は岩出山の酒まんじゅう、そして南は白石の足軽まんじゅうということになってしまいます。
さて、この足軽まんじゅうの特徴は、何と言ってもその「皮」です。福島県郡山の「薄皮饅頭」は文字通り薄い皮であんこが包まれており、どちらかと言えばあんこの風味を楽しむまんじゅうと言えるのに対して、この足軽まんじゅうは実に厚い皮であんこを包んでいるのであります。
そしてその皮に練り込まれているというのが秘伝の醤油だれ。一見すると味噌や黒糖系まんじゅうのような茶色なのですが、このような醤油系の皮というのは意外に珍しいかもしれません。
ビニールを剥がしてまんじゅうを口元へ寄せると、ほのかに漂う醤油の香り。粒あんの甘さと甘辛い皮の調和が絶妙で、やはりこの足軽まんじゅうは、この皮あっての一品だと思うのです。
伊達藩の白石城主はご存知「片倉小十郎景綱公」。この仙加苑には、白あんを白い皮で包んだ実に上品な「小十郎まんじゅう」という一品も用意されていましたが、まさに私のような足軽にはこの「足軽まんじゅう」がぴったりで、一つ頬張ると確実に足が軽くなるのであります。
「足軽まんじゅう」を買ったついでに、と言うよりも、そのキレイな色につい手が伸びてしまった「さくらがんづき」と「さくらまんじゅう」。おそらく完全に季節商品なのでしょうが、これも伊達藩つながりで「愛姫まんじゅう」とでも呼びたくなるような一品。
道明寺を包んでいる桜の葉の塩漬けの香り。いわゆる「さくらの香り」がほのかに味わえる、上品ながんづきとまんじゅうでした。
そう言えば先月も「桜餅」を食べたり「さくら大納言」のシフォンケーキを食べたり、ここ1ヶ月でさくらモノを口にしたのは1度や2度ではありません。新年度も迎えた今月は、待ちに待った桜の季節。もしかして、心のどこかで例年にも増して桜を心待ちにしているのかもしれません。はたして今年はいつ頃になるのでしょうか。いずれにしても、本物の「さくら」はもうすぐです。