きなこねじり

考えてみれば、私が口にするすべての食べ物は、実に狭い範囲でローテーションされているのかもしれません。つまり、ある一定期間を一区切りとすれば、繰り返し同じものばかりを食べている可能性が高いということです。そして、そのアイテムは決して幅広くないのだろうと。

例えば「ししゃも」。香ばしく焼かれた「ししゃも」は私の大好物の一つですが、ここ半年ほど食べた記憶がありません。夕食はパスタ、などということが週に2度あることは珍しくないくせに、なぜ大好物の「ししゃも」は半年以上も口にしないのでしょう。私にも分かりません。

おそらく、普段から明確に意識している食べ物の持ちネタが極端に少ないということなのかもしれませんが、何かのきっかけで目にしたものに、あっ!これこれ!という場面もあるのです。

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先日の「どんと祭」に露店として出店されていた仙台駄菓子の「中鉢屋」。さぁ、今日はどれでも3袋で千円ですよ!という声に足が止まってしまいました。むむむ。そう言えば・・。

「きなこねじり」はありますか?きなこねじり?はい~もちろん、これね~。老舗の仙台駄菓子店に対して実に失礼なことを聞いてしまうほど、私は少しワクワクしていたのでしょう。

仙台駄菓子の店で「きなこねじり」がないはずはありません。おぉ・・愛しのきなこねじり。3袋で千円!と言われて、3袋を買わない度胸は持ち合わせていませんので、「マコロン」と「青葉しぐれ」を合わせて千円。「ししゃも」以上に、思い出せないほどに久しぶりのきなこねじり。

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私が子供の頃は、亡き祖父母が実家の最高指導者だったようです。その祖母の好物だった「きなこ」は年に数回ほど食卓に出てきたはずで、半年以上も口にしないということはあり得ませんでした。

素の「きなこ」と「上白糖」を混ぜ合わせる作業を手伝わされたことは、今でも鮮明に憶えているわけですが、ヘタクソで砂糖のダマが残ってしまい、食感はなめらかではなかったのです。

大豆を煎ってから粉状にして作るという「きなこ」。他にも、穀類や味噌や米、黒糖や水飴など昔ながらの材料で作られているという仙台駄菓子。糖分がありますので「カラダに良い」と言えば誤解を招くかもしれませんが、「カラダに優しいお菓子」ということは言えるのでしょう。

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念願の「きなこねじり」は格別の美味しさでしたが、意外に再発見だったのが「マコロン」です。

お洒落な有名店で売られているカラフルな「マカロン」を口にした時の美味しさは驚くほどでしたが、あの価格を考えると、私はほうじ茶をすすりながら「マコロン」をつまんでいる方が身の丈に合っているようです。本当は「みそぱん」も食べたかったのですが、それはまた次回の時に。お菓子のローテーションに仙台駄菓子を含めるために、何らかの工夫が必要となりそうです。