大崎八幡宮松焚祭

特に宮城県地方では古くから行われている正月送りの行事「どんと祭」。正月飾りや古いお守りなどを焼納し、その御神火にあたることによって神様のご加護を得るという言い伝えがあるようです。

これまで、初詣に行かなかったことはあれど、どんと祭に行かなかった年は記憶にありません。正月飾りや古いお守りなどを、ゴミに出す気にはなれないからです。

それほど私たちにとっては馴染みのある行事とも言え、たいてい1月14日に宮城県内の大小様々な神社で行われるどんと祭。過去に若林区に住んでいた時には、木ノ下の陸奥國分寺薬師堂が定番だったのですが、少しマイナーなところでは五十人町の伊達八幡神社などへも。またここ最近では、中山不動尊や賀茂神社ということも多かったわけです。

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さて今年はどうしましょう。神さん、いやカミさんと相談して決まったのはご存知「国宝大崎八幡宮」。どんと祭と言えば大崎八幡宮、と言われるほど仙台では実に名が知られているのですが、これまでは混雑を避けてほとんど足を運びませんでした。しかし、今年は初詣のお参りもこちらで、しかも考えてみれば我が家からは比較的近い場所。早めに出陣です。

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大崎八幡宮では「松焚祭(まつたきまつり)」と呼ぶらしいどんと祭。とにかく混むことが予想されるので、焼納するものだけ置いてきて、御神火にはあたらずお参りだけして帰ろうかとも思ったのですが、なんと到着した頃にちょうど火入れの儀。うわっ。このまま帰るのでは、何となく後ろ髪を焼かれる思いです。ここまできたら待ちましょう。神聖な御神火のために。

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幾度となく訪れているどんと祭ですが、偶然にも火入れの瞬間に立ち会えたのは初めてです。

火のついた松明を持って周りを取り囲んだ何人かの神職者が一斉に火をかざすと、またたく間に目標物は火の山と化し、それを囲んでいる群衆の円はあれよあれよと数メートルほど後ずさり。スゴい迫力と放射熱ですが、早めに退散しないと燻製になってしまいます。

例によって、明るいうちから続々と集結している裸参りの参加者たち。昨日も極寒の仙台でしたが、寒いからと言って肌色の着ぐるみを着用している人は誰一人いません。しかし、なかにはガクガクと寒さに震えている人も見受けられ、これで風邪などひいたら「無病息災」どころではなさそうです。早く御神火で暖まってくださいと、他人事ながら心配になるのです。

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無事に焼納して御神火にもあたり、その後にお参りも済ませ、最後にはお約束となる買い食いを。

久々に割り箸で巻かれたお好み焼きを立ち食いし、ついでにじゃがバターを頬張り、せんべい汁は何とか思いとどまりました。心機一転の意味も込め、今年は古いお守りをすべて焼納させていただいたどんと祭。不思議な充実感を感じて、帰途につきました。