エコドライブ実施中

時計メーカーのシチズンが「エコ・ドライブ」という光発電式の腕時計を発売させたのが1990年代。確か当時は今ほど「エコ」という言葉が氾濫していなかった時代でしたが、現在ではありとあらゆるものに「エコ」というキーワードが付いています。特に、家電業界などでは「エコなんたら」以外は売れないのではないかといった状況で、まさにエコ全盛期とも言えそうです。

自動車業界も例にもれず。今やハイブリッドカーや省燃費車が注目され、カタログで最初に目にする項目は燃料消費率だという方々も少なくないのでしょう。しかし、クルマばかりは乗り方で燃費がだいぶ変わるようで、例えば震災直後に私たちが実施せざるを得なかった「手動アイドリングストップ」などが、もっとも効果のある「エコドライブ」なのかもしれません。

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多くの車両を保有している事業所などでは、1台1台のチョッとした省燃費運転が大きな効果を生むのでしょう。特に運送業界では、「エコドライブ実施中」というステッカーを貼っているトラックも少なくありませんが、はたしてどのような運転が「エコドライブ」なのかは分かりません。

などと考えながら、いつの間にか1台のトラックの後ろを走っていた私。こういった状況は決して珍しくありませんが、前方の視界がさえぎられるので好きではありません。このトラックの前で何が起きているのかも分からず、もちろん信号の具合も把握できず。私はただただ、このトラックの動きに対して忠実に従うしかないのです。追い越そうにも追い抜けない市街地。

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まるで申し合わせたように私の目的地とまったく同じ方向へ走るトラック。これもままよくあることです。この際、どこまでもご一緒しましょうぞ。赤信号で停車し、小型魔法瓶入りのお茶を口に入れながら一息。ふ~ん。なるほど。この会社でも「エコドライブ実施中」なのね。

いや違う!ん?はぁ?な、なぬなぬぅ?!

口に含んだお茶を、もう少しのところで左右の鼻穴から同時に噴霧させてしまうところでした。

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このトラックは、実に危険なドライブを実施中です。もし本当にこのようなことがトラックの車内で展開されているとすれば、CO2の削減などできるはずもなく、むしろ車内にはCO2を充満させて走っている可能性が高いということです。これには驚きましたが、私にはどうすることもできません。数分後に広い通りに出て2車線となったところで無事に追い抜きました。くわばらくわばら。