塩釜産天然本まぐろ

先日のことです。帰宅してすぐにカミさんが血相を変えて私に言うのです。

た、大変なものを買ってしまった。

はぁ?出ました出ました!得意の事後承諾作戦!はいはい?何をお求めになったので?またアレですか?気が付いたら抱えてレジに並んでいたとでも?あ・・それは私だ。ところで何を買ってしまったのでしょう?是非お聞かせ願えますかね。

スーパーで夕食の食材を物色中に、つい目に留まったという一品。相当迷ったらしいのですが、パッケージに貼られた「塩釜産天然本まぐろ」の文字に、清水の舞台から踊り出すつもりで買ってしまったと。

なぬぅ?塩釜産?・・・それなら私も清水の舞台で一緒に踊りましょう。

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震災で壊滅的な被害を受けた宮城県内の各漁港。ここに来て少しずつですが、それらの港でも魚が陸揚げされ始めてきていることはニュースなどでも報道されていました。

今ではスーパーでも「どこどこ産」という表示が付けられていますので、魚に限らず野菜や果物でも宮城県産の表示を見つけるたびに嬉しくなってしまうという感情は、生まれて初めての体験です。

正直なところ、これまではさほど「~産」という表示に目を向けなかった私でも、この「塩釜産」の三文字にはとても重い意味を感じてしまいます。私たち生活者の想像以上に、この「まぐろ」が塩釜に揚がったこと自体を、実に多くの関係者がお喜びになったに違いないはずです。

ところで、宮城県産のものだけ食べるゲームを始めたとしたら、いったい何日過ごせるのかと考えたことがありました。つまり自給率ということですが、その定義を栽培や収穫だけではなく、県内加工もOKだとすれば、基本の米、味噌、醤油はもとより、相当な種類の食糧が賄えそうな気がするのです。しかし、まだまだ震災の影響が及んでいることも事実です。

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酒が呑めないくせにホヤが大好きな私。たまたま今月に塩釜の老舗店で購入した「ほやの塩から」が毎晩の楽しみなのですが、こちらのホヤは今のところ青森県産を使用しているとのこと。これまで圧倒的な占有率を誇っていた宮城県産は、残念ながら壊滅だそうです。

とは言え、こちらの加工品で使用されるホヤは宮城県の種を青森で育ててもらっているそうで、味や香りも厚みも十分な合格点を与えられるものだそうです。魚やホヤだけに限らず、牡蠣やわかめなど、様々な海の幸を提供してくれていた宮城県の海。山の幸や畑の幸、そしてもちろん田の幸も含めて、宮城県産を見つめ直す良い機会となったのでした。