今年の「仙台七夕まつり」の人出が本日に発表されたようですが、それによると最終的には3日間で203万人だったとか。結果的に、震災の影響も懸念された175万人との予想を上回る人出を記録したことになりますが、それだけ仙台に足を運んでくださった心温かい来場者に恵まれたのでしょう。
私が出掛けた昨日の午後は平日ということもあり、それほどの混雑は感じられなかったのですが、確かに夕方からはドッと人出が増えてきた感はありました。
さて、今年の「仙台七夕」で例年より目についたのが短冊、そしてもう一つは折り鶴でした。私たち日本人は、小さい頃に折り紙で鶴を折ることをどこかの時点で習うのですが、今回目にした膨大な数の折り鶴は、日本各地ばかりか世界各国から届いたものも少なくありませんでした。
大小色とりどりのこれらの折り鶴は、もちろん人間による手で一つ一つ折られたもので、おそらくここ仙台や宮城県、そして東北全体に対する復興への祈りが込められているに違いありません。
どれもこれも素晴らしい折り鶴なのですが、圧巻だったのが藤崎の提供による「星に願いを。」という吹流しタイプの折り鶴です。これは、仙台市内の児童や生徒たち8万人が作ったものだそうで、なかには被災によってこの折鶴を折ることができなかった児童生徒の分まで、その友人たちが心を込めて折り上げたものもあるのでしょう。
1基で1万羽を抱えた吹流しが8基で8万羽。祈りと願いが込められた鶴が、今にも大空へ飛び立とうという様子はまさに圧巻でした。
藤崎は、昨年も「100万人の笑顔」というタイトルの吹流しで多くの注目を集めました。今やこの一番町大町角の名物飾り物どころか、仙台七夕全体から見ても名物と言えそうです。
その一番町の大町角から南側がサンモール一番町。青葉通りも渡って南町通りまでがそう呼ばれる商店街ですが、人の波は大町角からどうしても仙台駅方面あるいは広瀬通り方面へ流れがちです。しかし、このサンモール一番町にもお目当てのものが飾られてありました。
河北新報社がまとめ上げたプロジェクトである「想いをひとつに」。実はこちらも定禅寺通りの短冊と同様に、どうしても見ておきたいと事前に調べておいたものです。
この一画は文字通り短冊と折り鶴の共演。そして、この場所は私たちに寄せられた「願いの短冊」だけではなく、逆に私たちが多くの温情に対して感謝の気持ちと復興への決意を表す場のようでした。
例年とは少し違った「仙台七夕まつり」の風景。しかし、これが本来あるべき「七夕」の姿なのかもしれません。