過去に、これほどたくさんの短冊や折り鶴で仙台の街が彩られたことは、はたしてこれまであったのでしょうか。確か、先の震災からそう時間が経たないうちに「仙台七夕」の開催宣言が聞かれたことは、私たちを強く勇気づけました。そして、予定通りに8月6日から始まった仙台七夕。今年は多くの短冊と折り鶴がその主役だと言っても過言ではなさそうです。
その「仙台七夕まつり」の最終日となった今日、どうしても見ておきたいところを中心に、彩られた街へと繰り出しました。そして、まず最初に向かったのは、定禅寺通りの中央歩道帯。
定禅寺通りの、ちょうど国分町交差点から一番町交差点の間に、それらは飾ってありました。全国各地の皆さん、そして世界各国の皆さんから寄せられた「願いの短冊」です。その数たるや、いったいどれくらいになるのでしょう。ここだけで、おそらく数十万枚は下らないのではないでしょうか。残念ながら、そのすべてに目を通すことは叶いませんでしたが、ここで多くの時間を割いたことは間違いありません。気持ちを込めてペンを走らせてくださった願いの短冊。
この歳になってもまだ、感受性がさらに豊かになってしまったのは震災以来のことですが、この多くの短冊を拝見しながら無言のまま込み上げるものを感じたのは、決して私だけではなかったはず。
お一人お一人がこの短冊に願いを書き留めるために時間を割いていただき、さらにこうして自筆で書き上げてくださったのです。一枚一枚は小さな紙かもしれませんが、驚くほど多くの方々がこの短冊を仙台へ届けてくださったという事実。これを忘れるべきではありません。
街には今年も豪華絢爛な吹流しも見られました。もちろんそれらすべてが素晴らしく、まさに仙台七夕の象徴ではありますが、今年は特に「願いの短冊」一枚一枚の想いと重みが心にしみるのです。
私たちは、この小さな紙に記された想いに勇気づけられ、そして心から感謝の気持ちを感じています。仙台の風に三日間揺られたこれらの短冊は、残念ながら今日で私たちの前から姿を消すことになるのでしょうが、是非ともどこかに永久保存していただき、完全復興を遂げた年の仙台七夕で、再度私たちの目の前に飾っていただきたいと願うのであります。
お便り
[…] 出典: appetoppe.com […]