2週間ほど前に白石へ行った際はお目当ての食堂が休みだったのですが、どうやら今日は開店していたようです。この一杯の肉そばに、私の青春がぎっしりと詰め込まれているわけです。
高校時代の3年間を過ごした母校(男子校)が今年の春から男女共学となるために、とても思い出深い学び舎が今月でその役割りを終了するそうです。実際には今月の24日に1、2年生が終業式を迎えて最終なのだそうで、その前に是非とも立ち寄っておきたかったのであります。
母校の学食。ここで、いったいどれくらいのカロリーを摂取したのでしょう。粉っぽいカレーライスや、ぐだぐだのうどんなど、当時は美味しくて美味しくて、夢中で食べていたことを思い出します。
お金が無い時には、正式なメニューではない数十円の裏メニューも出してくれたように記憶していますが、なんといってもここで一番食べたのがこの肉そばで、なんと今も健在だったのです。
ここで忘れられない思い出があります。当時、この肉そばを夢中で半分程度まで食べ進むと、中から肉以外の見慣れない物体が出てきたのです。最初は何やら分からなかったのですが、よく見てみると、グリーンメタリックに輝く銀バエでした。あまりに驚いて声も出ませんでしたが、私のカラダがピョン!と5センチぐらい上下動したのを今でもはっきり憶えています。
さて、どうしたものでしょう。この状況を学食のおばちゃんに言えるでしょうか。言えません。学食のおばちゃんたちは、いちいちハエの管理までしていられないことを分かっていたからです。
茹でられた銀バエを箸でつかんで床に捨て、もちろん残りの肉そばをそのまま食べ続けたのであります。どうせ半分まで食べてしまった訳ですし、銀バエを食べずに済んだのは実にラッキーでした。
私の先輩方や後輩たちに聞いても、男子校が無くなってしまうことを惜しむ声はとても多いようですが、これも時代の流れですから致し方ありません。しかし、ここでたくさん学び、たくさん遊んだ事は、とても楽しい思い出と共に生涯忘れることはないでしょう。そばが見えないほどに肉が盛られた270円の肉そばは当時と同じ、まさに至福の一杯でした。関係各位に心からの感謝を込めて。