牛鍋丼の逆襲

報道によりますと、「吉野家」全体での9月の売り上げが19ヶ月ぶりに前年同月比を上回ったのだそうで、もちろんこれは新たに発売した「牛鍋丼」が特効薬になったのでしょう。偶然にも私は一斉発売前の8月時点で食べる機会を得ていたのですが、久々に再度食べてみました。

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以前にも書いたかもしれませんが、私たちが学生時代の約30年前に、初めて「吉野家の牛丼」を食べた時の感動は今でも忘れられません。あの時以来、仙台ではしばらくの間「吉野家」の独占市場が続いて舌も慣らされたせいか、気持ちとしては今でも「吉野家派」なのです。

しかし人間とは勝手なもので、「すき家」で牛丼の並盛りが280円。みそ汁とおしんこを付けても350円と言われれば、吉野家の並盛り単品380円では太刀打ちできるはずもなく、「吉野家派」のバッジをこっそり外して「すき家」へ駆け込む日も、当然のことながら増えていたのです。

そこへ、「牛鍋丼」を一斉発売することで逆襲に出た「吉野家」。低価格商品を揃えてくれるのは実に歓迎すべきことですが、はたしてそれは本当に私たちが望んでいることなのでしょうか。

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自宅近くにある郊外型の「吉野家」。ここは、オープンしてから気になっているお店なのです。

どうも質や容量が一定していないと言いますか、他の店舗とも違う、また作るスタッフによっても違う、そんなバラつきを感じてしまうお店で、何となく心配でつい足を運んでしまうのです。

昔はどこの「吉野家」で食べてもそのように感じたことはありませんでしたが、ここで食べてからは少し気になるようになりました。確か3ヶ月ほど前に牛丼の並盛りを食べた際には、具材の牛肉が驚くほど少なく、完全にご飯が透けて見えている状態。初めてご飯だけ残しました。

他よりも価格が高くて肉は少ないということでは、まったく戦いにすらならないと言えそうです。

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ついでにもう一点、愛のムチを。いつも座る厨房前のカウンターなのですが、これがちょうど私の目線です。目の前には洗い場待ちの下げられたどんぶりが並ぶのですが、それは良いとしても、天板の裏側がいつも汚れているのです。残念ながら、いつ訪れても、この状態です。

おそらく、この場所にお店のスタッフが座ることはないでしょうから、この汚れが目に入ることはないのかもしれません。しかし私たちはここに座りますから、これが丸見えのまさに「お客様目線」。

低価格商品で逆襲にかかるよりも、もっと大切なことがありそうだと感じてしまう「吉野家」。最近はこんな調子で少々頼りないのですが、なぜかまた足が向いてしまう、吉野家派の私です。