増尾好秋 セイリング ワンダー

一週間ほど前のことですが、実家で兄と話しをしているうちに音楽の話題になりました。このところ私が昔のレコードをパソコンに取り込んでいることを話すと、「そう言えばオマエは確かマスオヨシアキのレコードを持っていたはずだ」と言うのです。マスオ?ヨシアキ? 誰でしたっけ?

「ほら、セイリングなんとかっていうレコードで、波の音が入ってて・・。あれはホント最高に良かったなぁ。なんだ、忘れたのか?オレはオマエから借りたんだぞ」などと言われてもねぇ。すっかり頭の中から消えていたそのレコード。気になってネットで調べ、ようやく思い出したのです。

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その昔、仙台でロック喫茶と言えば「ピーターパン」の存在が圧倒的でした。ところが、本町の裏通りのビルの地下に「クリーン・リビング」という、もう1店のロック喫茶が開店したのです。

ピーターパンは正統派ロック系でしたが、クリーン・リビングはロックの他にフュージョン(当時はクロスオーバー)も積極的に取り上げ、この「セイリング・ワンダー」もそこで聴いたのが最初でした。おそらく初夏だったのでしょう。この雰囲気に魅せられて、即レコードを買いに走ったのです。

考えてみると、当時は今のようにネットや店舗で音楽を試聴できる環境ではなかったので、このようなロック喫茶で聴いてからヤマハやサンリツへ買いに走るということが少なくなかったような気がします。そういう意味でも、音楽を聴かせてくれる喫茶店は貴重な存在だったと言えそうです。

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さて、兄のおかげで貴重な思い出とともによみがえった増尾好秋氏。若い頃にアメリカへ渡った日本人ジャズ・ギタリストですが、どこを探してもそのレコードが見つかりません。おそらく誰かに貸したまま、それっきりなのでしょう。この類は、誰に貸したかも憶えていないものです。

悔しいのでCDを購入しました。増尾氏に敬意を表する意味でも。「クリーン・リビング」の店内も思い出されますが、おそらく当時はこの曲を聴きながら深沼や荒浜に出掛けたのかもしれません。まだまだ肌寒い日が続きそうですが、頭の中だけは一足先に南国気分に浸りたいものです。

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