考えてみると、私の生まれた町には「~食堂」という名前のお店は確か3軒ほどありました。ラーメンやカツ丼など、お腹を満たすための食事を提供するお店で、その業種を率直に表現しているわかりやすい店名だと言えます。
今でも冠に「イタリア食堂」や「フランス食堂」と付けて、「食堂」という言葉から大衆性や低価格性を想像させるケースも見られるようですが、確かに私たちにとって食堂は気軽に入ることが出来る食事処という印象があります。
過去に「学生食堂」や「社員食堂」を利用したことがある人にとっても、「食堂」はなじみのある自分の居場所であり、食欲を満たす場所でもあり、また、ホッと出来る場所なのでしょう。
ちょっとした打ち合わせも兼ねて友人と昼食を食べることになったのですが、街中でのお昼ごはんは本当に久々であります。お店をお任せした彼が案内してくれたのは「武屋食堂」です。
武屋食堂?泉の?そうらしいです。数年前、泉に出来た際には何度か伺ったことがあったのですが、今や仙台中央店と広瀬通り店の2店舗も市街地でオープンしているとのこと。スゴイですね~。そう感心しながら伺ったのは広瀬通り店で、エーラクビルの向いあたりです。
ビルの地下に構えるお店は「和」の風情で、記憶では泉店よりも造り込まれた感があります。ランチメニューもなかなか豊富で、正直なところ価格に対して満点とは感じなかった泉店とは少し違う印象ですが、もしかしたらメニューを更新したのかもしれません。これは期待できます。
確かハンバーグ系の日替わり定食もあったのですが、彼のおすすめに従って「若鶏の唐揚げ定食」を二人でオーダーしましたが、これが正解! 揚げたて熱々で美味しくいただきました。泉店同様こちらもドリンク類はフリーで、熱いお茶や冷たいウーロン茶、またオレンジジュースやホットコーヒーをセルフサービスで自由に飲むことが出来ますが、これは嬉しい配慮です。
唯一、味噌汁が少しぬるかったのが残念でしたが、これはどこのお店でも難しいのでしょう。
個人的に熱々の味噌汁を出してくださるお店には感動すら覚え、厨房とホールが提供の順序をしっかり意識しているように見えるのですが、そこまでのお店は残念ながら多くはありません。私たちは客席で熱いものを冷ますことは出来ても、再加熱することはまず不可能なのです。
さて、この若鶏の唐揚げ定食はドリンクフリーで720円。しかも、後で知ったのですが、ご飯少なめで頼んだら20円引きだったのです。ちなみに大盛りご飯は20円増しなのだとか。
大盛りサービスというお店はよく聞きますが、少なめで安くするというのは実に的を得ていると感心してしまいました。この場所でこの価格は十分に満足できる内容ではないでしょうか。お店のスタッフの方々も元気良く、次から次と来店者が途絶えないのも理解できそうです。