台湾旅行2日目の夜。この日は「猫空」へ行ったことで相当の距離を歩いたらしく、父親の万歩計はすでに2万歩を超えていたもよう。さすがの父も士林夜市からホテルへ戻ってきたところでお開き。
で?お兄さんはどうします?小籠包は?食べないで帰国するつもりで?と弟氏。
いやいやとんでもない。小籠包の無い台湾旅行なんて、牛タンの無い仙台旅行や、ちゃんぽんの無い長崎旅行みたいなものじゃないか。もう少しお腹には余裕があるので、二次会をお願いしましょう!
時刻は21時前。弟氏が言うには、小籠包で超有名店の「鼎泰豐(ディンタイフォン)」は21時までの営業とのことで断念。次点として考えていたお店も22時までなので、タクシーで行きましょうと。
ちなみに、台北市内のタクシーは日本と比べて運賃も安く、手軽な移動手段として利用価値が高いように感じます。初乗りは70元(約250円)で、その後のメーターは5元ずつの加算。ただし、日本語や英語が通じるドライバーは非常に少ないと思われ、行き先を告げることに苦労もありそうです。
実はこの時も、弟氏は乗る前にドライバーへスマホのマップ画面を見せて先に確認をしていたわけですが、いざ走り出すとどうやら方向が違う様子。こちらもマップで現在地を追っていますので、途中でクルマを停めて再度の確認作業。おそらく倍の20分ほど乗っても運賃は日本円で千円弱でした。
よし、ここです!タクシーが無事にお目当ての「杭州小籠湯包」の本店前へ到着したのが21時20分過ぎ。おっとっと。ギリギリセーフのようです。弟氏いわく、ここはディンタイフォンより庶民的で価格も安く、しかもなかなか美味しくて人気店だとのこと。確かに店内はこの時間だというのにそこそこの客の入り。しかも私たちが席に着いてから来店するグループ客の姿もちらほら見えるのです。
さて何を食べますか?と弟氏。何をって、もちろん小籠包でしょう。後はおまかせするのでお願い。
▼ 鶏ベースにしいたけの出汁が風味豊かな鶏スープ。
▼ 念願が叶った小籠包。実に美味!8個で150元(約530円)は夜市と高級店の中間か。
▼ 蟹みそとえび入り焼売。これもヤバい。美味しい!
ここ「杭州小籠湯包」は半セルフサービスの庶民的なお店。席に案内されると献立が書かれた伝票を渡され、そこに数を書いて店員さんに注文するシステムのようです。飲み物類は店内の冷蔵庫から勝手に自分で取り出し、薬味や調味料もそれらが置かれた棚から自分でテーブルに運ぶといった具合。
▼ 美味しかった!ごちそうさまでした。これで小籠包をクリア!なぜか達成感に満ちあふれる私。
ところで、かの有名な「鼎泰豐(ディンタイフォン)」の小籠包はやっぱり美味しいの?何かが違う感じ?弟氏にそう聞いてみました。やはりちょっと違いますね。もっと皮が薄くて、それでいてもちもちしていて、やっぱり美味しいですよ、ディンタイフォンは。行ってみますか?お店まで。え?
なんとこの「杭州小籠湯包」から歩いて10分ほどの場所にあるという鼎泰豐の本店。もちろんすでに21時でお店は閉まっているはずですが、興味津々で店頭だけでも拝みに行きたくなったわけです。
▼ 時刻は22時。お店の中にはまだ従業員の姿が。
▼ すべてのストーリーはここから始まったのだと。台北の鼎泰豐本店。
▼ 今回は食べられずに残念。
考えてみれば、小籠包も数多い点心の献立の一つ。しかしながら、なぜか台湾と言えば小籠包がすぐに思い浮かびます。これはおそらく「鼎泰豐」の功績が実に大きいと言えるのかもしれません。
何かの記事で読んだのですが、台湾では「鼎泰豐」に就職することがステータスである一方で実に難関でもあり、容姿端麗で語学力(英語と日本語)や接客力など多岐にわたる試験があるのだとか。
機会があれば、次は是非とも「鼎泰豐」の小籠包と心地よいサービスを味わってみたいと思います。
▼ 帰り道に立ち寄ったスーパーマーケット。中華料理の調味料が安くて豊富。
▼ おなじみの色。セブンも見ますがファミマもあり。
▼ マンゴーかき氷で有名だというお店。もっと暑かったら迷わず寄って食べたでしょう。
▼ 帰り道に弟氏が立ち寄った天津葱抓餅。激旨とのことですが私は満腹で断念。
▼ ものすごい技量。お客の注文を聞き、次から次へと目にも留まらぬ速さで焼いていきます。
▼ ホテルへ戻ったのは23時。本日の夜遊びはこれにて終了。
弟氏のおかげで念願が叶った小籠包の夕べ。思えば、この日は実に密度の濃い一日を過ごしたと言えそうです。素晴らしい景色と美味しい料理に身体の疲れも何のその。わざわざ台北までかけつけてガイドを務めてくれた弟氏は、明日の午前便で先に帰国するとのこと。私たち大丈夫なのでしょうか。