そもそも格安スマホだの格安SIMっていったい何なのさ!とお叱りを受けた件

このブログの存在を以前から知っている現実社会の友人知人はごくごくわずかなのですが、そのなかでも古い付き合いの同い年になる一人の友人から最近になってこのようなお叱りを受けました。

なんだか今年になってSIMフリーがどうだの楽天モバイルがどうだのこうだの言ってっけどさ、そもそも格安スマホだの格安SIMって何なのさ!よくわかんねぇぞ!

反省。たしかに私の記事はハウツー式ではなく、あくまでも自分が体験した一つの例を述べているに過ぎませんので、そもそもそれって何なのさ!という方々にはわかりにくいのかもしれません。

ここ数年でにわかに広まり、今年になってからはすっかり市民権を得てきた感がある格安スマホ格安SIM。おそらく初期の頃はインパクトがあったであろう「格安」という言葉も、そろそろやめたほうがよいのではないかと思っています。そもそも格安に感じるかどうかは人それぞれ。駅から徒歩で5分!3LDKの新築格安マンションがたったの8千万円!と言われても、感じ方は人それぞれです。

そこで、おそらく今後は「SIMフリースマホ」という呼び方がわかりやすいような気がします。楽天モバイルでは約6万円のスマホも用意していますし、SIMフリーのiPhone7は7~8万円台。決して「格安」とは言えない状況もあるなかで、何となく安っぽい印象も与える「格安」という言葉。ではそもそもSIMとは何なのか、何がフリーなのか。自分自身の理解を思い出してみることにしますが、結論から言えば、一般的に「格安スマホ」や「格安SIM」の意味は次の場合に用いられています。

格安スマホ

大手通信会社4社(ドコモ・au・ソフトバンク・ワイモバイル)以外から販売されるスマホ。

格安SIM

大手通信会社4社(ドコモ・au・ソフトバンク・ワイモバイル)以外から販売されるSIMカード。

▼ auのHTC J ISW13HT。白い小さなカードがSIM(カード)。

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私たちが契約する携帯電話やスマートフォンの中には、小さなICカードが入っています。これがSIMで、SIMカードとも言います。このSIMカードには電話番号などの私たちが契約した情報が入っており、これを携帯電話やスマートフォンにセットすることで自分の端末として使い始めるわけです。

とは言え、これまでは携帯電話会社のカウンターで店員さんが自社の端末に自社のSIMカードをセットして渡してくれたので、私たちがカバーを開けて中のSIMカードを見る機会はありませんでした。

※ 写真は2012年の年末に契約したauのHTC J ISW13HTというスマートフォン。その経緯はこちら。

「赤」は決して嫌いな色ではないのでしょう。かと言って「好きな色」という意識も無いのですが、これまで赤色のモノを選んできたことは少なく...

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ご覧のとおり、端末本体内部にも「au」の文字が記載されています。すなわち、このスマートフォンはauのSIMカードでしか使えないもので、当時の私は何の疑問もなくこれを使っていたわけです。

もちろんauに限らず、NTTドコモやソフトバンクなどの大手通信会社は、自社で販売する携帯電話やスマートフォンを自社のSIMカードでしか使えない仕様にしていました。これを「SIMロック」の状態といい、文字通り端末にロックを掛けて顧客の囲い込みを施していたということになるのです。

▼ その後に同じくauで契約したisai LGL22。これには極小のnanoSIMカードが入っていました。

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ところが、ここ数年で大手通信会社4社以外からもSIMカードが提供されるようになりました。それらの契約プランが大手通信会社と比較してかなり低価格なことで、それを有意義だと考えるユーザーから支持を受け始めたというわけです。これら大手通信会社以外から提供されるSIMカードは、スマホを製造する各メーカーから販売される「SIMフリー」のスマホにセットして使うことになります。

▼ 楽天モバイルから提供されるSIMカードを、SIMフリーのスマホにセット。

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楽天モバイルから購入したスマホはロックが掛けられていない「SIMフリー」の状態なので、必ずしも楽天モバイルのSIMカードでないと使えないということではありません。これがフリーの意味。

ちなみに、楽天モバイルのSIMカードなのに「docomo」と記載されているのは、楽天モバイルがNTTドコモの回線を借りて運用している通信会社だからです。同様に、いわゆる「格安SIM」と呼ばれる通信会社各社は、現在のところNTTドコモかauの回線を借りて営業していることになります。

▼ 偶然にも3種類の大きさが揃ったSIMカード。現役なのは中央の楽天モバイルmicroSIM。

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私は昨年末にこの世界へ足を踏み入れたわけですが、それまでauへ支払っていた月額3,500円(月間2G)のデータ通信料金が、楽天モバイルへ変更してから月額1,020円(月間3.1G)となりました。

ただし、通話料金だけは大手通信会社の「かけ放題」が安いので、面倒ながらもガラケーを残して2台持ちとしたわけですが、「かけ放題」もauからソフトバンクに移行したことで安くなったのです。

現在のところ私がモバイル端末に対して支払う月額料金は、ソフトバンクに対して「かけ放題」の1,479円。楽天モバイルに対して1,104円。合計で税込み2,583円ですが、さらにここから楽天ポイントで毎月500ポイントを充当しているので、実際の支払いは月々2,083円ということになります。

ただしこれにはSIMフリーのスマホ本体代金は含まれていません。私の場合には同じ楽天モバイルで月々1,030円の24回払いで手に入れましたが、これは各ユーザーの自由です。一括払いで購入する人もいれば、中古のSIMフリースマホをオークションで安く手に入れる人もいらっしゃるようです。

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では、誰にでもお勧めできるかというと、そうとも言えないのが格安スマホ格安SIMの世界。特に通話を多く使うユーザーで現在の「かけ放題」を手放せないユーザーは要注意です。それ以外のユーザーであまり通話しない人に関しては、おそらく月々の料金が大幅に下がる可能性が大でしょう。

いずれにしても、大手通信会社を使っている人で格安SIMに興味がある方は、現在のプランと月々の料金明細をまず確認してみることから始めましょう。それがわからないと、はたして料金が下がるのかどうかも判断できないからです。安そうだからといってすぐに飛びつかないことも実は重要です。