すっとこどっこいオヤジのあっぺとっぺなクルマ遍歴 その1

10年ほど前からでしょうか。「若者の車離れ」という言葉が聞かれるようになりました。文字通り、若者が車を購入しなくなったり乗らなくなったりと、徐々に車から離れている状況を表すようです。

少し古い世代の私たちは違います。物心がついた頃から親の車に乗せられるのが楽しみとなり、いつかは自分で運転することを夢見ながら、自動車のプラモデル作りにいそしんだことを思い出します。

現在の愛車を購入する前に、これまでいったい何台のクルマを購入したのだろうと書き出してみたことがありました。その数は現時点で13台目。これが普通なのかどうかはわかりませんが、自動車業界には相当のお金を費やしてきたことは間違いなく、上物だけであれば一軒建つほどかもしれません。

家族からは呆れられ、また始まったかと紛争が勃発することもあったわけですが、その勢いに陰りが見え始めたのは10年ほど前でしょうか。ちょうど「若者の車離れ」が言われだした時期とかぶるわけですが、それはなにも偶然ではないのでしょう。欲しいと思うクルマが少なくなったのであります。

もちろん加齢による価値観の変化もあるでしょうが、自動車業界の変化も一つの要因なのでしょう。クルマの性質としての個性が徐々に薄れてきており、どのメーカーのどのクルマも何となく皆同じ。違うのは顔つきとエンブレムだけになりつつあるのは、日本のメーカーだけのことなのでしょうか。

あっぺとっぺなクルマ遍歴 その1

これまで自分自身がいつどんなクルマを購入してきたのか。なぜその時にそのクルマを選んだのか。

これは自分の備忘録です。12台の車名が走り書きされた汚い小さなメモを見つけ、きちんと記録に残しておこうと思い立ちました。おそらくこのメモを無くしたら、思い出すのは少し面倒だからです。

なお記憶にあいまいな部分があることに加え、写真はほとんど残っていません。というよりも、私が自分のクルマの写真をほとんど撮ってきていなかったことに驚くわけですが、それはおそらく、あくまでもクルマは大道具の一つとしての位置づけだったからで、被写体の対象ではなかったようです。

※ ほとんどの画像はウィキペディアから拝借しています。

いすゞ 117クーペ XC

1984年に中古で購入。これに関しては、過去に記事として詳しく書いていますのでご覧ください。

自宅ではいつもレギュラーコーヒーを飲んでいますが、一方でインスタントコーヒーも用意しています。一人分のレギュラーコーヒーを作るのが面...

トヨタ カリーナ ST-X

1985年に新車で購入。グレードは ST-X で、ガソリンエンジン1.5Lの5MT。4ドアのセダンでしたが、何を考えていたのか色はを選びました。実に勇気のある決断です。おそらく欧州スポーツセダンに憧れていたのかもしれません。実際に当時はアウディ80の赤いセダンが珍しくない時代でした。

▼ トヨタ カリーナ ウィキペディアより

「足のいいやつ」というキャッチコピーが定番だったカリーナでしたが、私のクルマはGTではなく普通の1.5Lグレード。実際にどうだったのかはあまり記憶にないほど、実に普通だったのでしょう。

翌年に転職をして横浜で暮らすことになり、数ヶ月後にカリーナも移動させたわけですが、何と言っても都会の渋滞で5MTはしんどい。という理由で、もっと楽なクルマに換えようとなったのです。

 思い出 

新車としての第1号がトヨタ。そして今のところは最初で最後のトヨタ車。なぜトヨタにしたのか、またなぜカリーナにしたのかは憶えていませんが、なんちゃってスポーツもどきだったのかトランクには控えめなリップスポイラーが装着されていました。これが最初で最後の羽根付きクルマです。

ホンダ シティ GG

1987年にカリーナを下取りに新車で購入。グレードは GG で、ガソリンエンジン1.2Lの4AT。3ドアハッチバックで色はなんと。港北区綱島付近のホンダディーラーで購入したと記憶しています。

都会で5MTを操るのがイヤになり、小さくて楽チンなクルマということで選んだはず。1.2Lながら700kg台の車重に1カム4バルブのエンジンは、まるでモーターのようにビュンビュン走りました。

▼ ホンダ シティ ウィキペディアより

 思い出 

田舎者としては少し嬉しかった横浜ナンバー車。やっぱすオートマは楽チンだなやぁ。とかなんとか言いながら、渋滞の東北自動車道をノロノロと仙台へ向かっていた時のこと。少し空けていた窓から巨大な蜂が車内へ入り込んできてパニックになる自分。うわ!あぶねっ!慌てて窓から蜂を追い出そうと熱中するあまり、渋滞で停止中だった前方車にゴツン。いわゆるオートマのクリープ現象です。

泣きっ面に蜂。シティのバンパーは片方が外れてぷらんぷらんでしたが、前方車(たしかコロナ?)の後部バンパーはわずかな擦り傷程度。もちろん完全にこちらの不注意ですのでひたすら謝りましたが、降りてきたオジさん3人組はこの程度ならいいからいいからと笑顔です。どうやらゴルフ場へと先を急がれていたようで運良く助かりました。事故の加害は、今のところこれが最初で最後です。

怒涛の短期乗り換え戦法を繰り出す、すっとこどっこいな青年。いすゞ、トヨタ、ホンダときてこれで3台。次回の4台目は初の輸入車となったVWゴルフから。存分に呆れていただければ幸いです。