格安SIMへの乗り換えを検討する人が抱える不安とその解決策

最近になり、カミさんがお世話になっている数人の友人から一斉に格安SIMのことを聞かれました。

現状をお聞きすると、概ね次の通りです。

Aさん

現在はガラケー。通常は会社支給のガラケーで通話やメールを行っており、個人のガラケーは自宅に置いたまま。ほとんど使っていないどころか誰にも電話番号すら教えていない。友人知人とのやり取りはもっぱら会社のガラケーばかり。でもスマホって便利なんでしょ?私も欲しいなぁ。

Bさん

現在はドコモのスマホ。格安なんちゃらってやっぱり安いんでしょ?でも今の機種はまだ支払い中で、たしか来年まで続くのかな。月々が安くなるんだったら私もそういうのに乗り換えたいなぁ。

Cさん

現在はソフトバンクのiPhone5s。どのくらい安くなるの?私も考えようかなぁ。iPhoneには特にこだわってないし、できればもう少し大きな画面がいいんだよねー。どうすればいいの?

おそらく、カミさんが自分のauを楽天モバイルに乗り換えたことを口走ったのでしょう。ところが聞かれてもカミさんはわからないので、たまたまお会いした際に矛先が私へと向けられたようです。

いやいや私は専門家でもないし、決して業界全般に詳しいわけではありません。しかしながら自分が経験したことならご案内できるかもしれません。で?今は月々いくらぐらい支払ってるんですか?

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今年の10月初旬に発表された一つの調査結果によると、格安SIMの利用率は14.7%なのだとか。今年の3月の時点では11.5%だったとのことなので、確実に増えてきているのは間違いなさそうです。

おそらく、格安SIMの利用率は将来的に少なくとも3~4割には達するものと予想しますが、今後の伸びは徐々に緩やかになるような気がします。と言うのは、自力で判断して自力で契約できる人はすでに乗り換えており、これから乗り換えようとする人は冒頭の例のような人たちなのでしょう。

つまり、広告やネット上に溢れる格安SIMの案内や手順書を見聞きしても、何だかよくわからない。これまで通り誰かが直接に説明してくれればわかるかもしれないけれど、現状では最初の一手もわからない。いったい私はどこへ行けばいいの?おそらくこのような人たちが多いのでないだろうかと。

冒頭の3人のように、興味はあるけれどよくわからないからアクションを起こせない。お店側ではなく使っている第三者からも意見を聞きたい。そういう人が意外に多いのかもしれません。今回は私がAさん、Bさん、Cさんそれぞれの状況を想像しながら、格安SIMへの道を考えてみることにします。

格安SIMへの乗り換えを検討する人が抱える不安

私の場合は乗り換えたほうがお得なの?

こればかりは人によるわけです。現状で通話量が多い人は、逆に格安SIMへ乗り換えると高くなる可能性がありますので要注意。格安SIM会社が用意している「5分かけ放題」や「10分かけ放題」などといったオプションは役に立たないでしょう。通話量が多い人は長電話も多く、一通話が5分や10分で終わるはずがありません。格安SIMは同じ会社同士でも通話料がしっかり取られますので注意。

ちなみに、冒頭の3人のなかで現在の支払い額を把握していた人はいませんでした。これではアドバイスのしようもなく、まずはそれを調べてくださいと述べるにとどまったわけですが、おそらくこういった人たちのほうが多いのかもしれません。その人その人によってお得になるのかどうか。中立公正なコンサルティングが必要なのでしょうが、現状ではそのような機会の提供は見当たりません。

大丈夫なの?

得体の知れないものには、大丈夫なの?と言いたくなる場合があります。格安SIMの場合は概ね大丈夫ですが、大丈夫じゃない場合もあります。例えば、昼休みなど混雑する時間帯には格安SIM系の通信速度が落ちると言われています。また、スマホ本体については超高性能モデルが用意されていません。このようなことから、逆にヘビーユーザーの方々は格安SIM系を選ばないこともあるようです。しかしながら、普通の人が普通に使うぶんにはまったく大丈夫です。もちろん私も大丈夫でした。

どこに行けばいいの?

これまでは携帯電話会社に出向いて行けば解決できたわけですが、格安SIMの場合はそうもいきません。もちろんネット上では様々な格安SIMと契約ができるのですが、よくわからない人たちにとってはネット上での申し込みなんてとんでもないことですし、機種も見ないで契約するのは無謀です。誰かに相談しながら検討をすすめたい。そう思うのは当然ですが、近くに相談できる人がいない場合にはお店へ行きましょう。そして、誠実そうな店員さんを見分けて相談するしか方法はなさそうです。

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解決策

狙いはイオンモバイルか楽天モバイル

結論から言えば、現状では格安SIMの入門者はイオンモバイルか楽天モバイルが適していると思います。なぜならば、お店があって実機があって説明も聞けるからです。もちろん家電量販店でも何社かの格安SIMを取り扱っていますが、よくわからない人は迷うところへ行かないほうが良さそうです。

イオンモバイルと楽天モバイル。どちらも実店舗がある格安SIM会社ですが、楽天モバイルは店舗数が限られている一方で、イオンモバイルならお近くにイオンがありそうなので敷居は低いでしょう。

最初はデータSIMを契約

格安SIMには、通話とネットができる「通話SIM」と、ネットだけできる「データSIM」の2種類があります。通常は「格安SIMへの乗り換え」というと電話番号も移行して契約先を完全に乗り換えるイメージですが、よくわからない人たちにとって、それは少しリスクのあるやり方だと思うのです。

そこで現在の契約を通話メインのプランに変更し、格安SIMの方は「データSIM」だけで申し込む。

イオンモバイルのデータSIMは月々480円(1G)からバリエーションも多く縛りもありません。まずはこれで使い勝手を試してみて、ダメなら解約するかイケそうなら通話SIMに変更するわけです。

あまり通話をしない人は、そのままデータSIMを使い続ける方法も一つです。データSIMでもLINEの無料電話やSMARTalkといったアプリでの通話は可能なので、データSIMよりも600円ほど高い通話SIM自体が必要なのかどうかという気もするわけです。もちろん、これも人それぞれなのでしょう。

クレジットカードは必須

ほとんどの格安SIMの場合、月々の支払いにはクレジットカードが必要です。また、格安スマホ本体は格安SIMの契約と同時に購入することになりそうですが、イオンモバイルで購入する場合にはイオンカードで、楽天モバイルで購入する場合には楽天カードで支払うことによって分割手数料が無料になります。一括払いで購入する場合には無関係ですが、これは意外に無視できないポイントです。

一切のオプションは必要なし

格安SIMを申し込む際に、おそらく様々なオプションを勧められます。これは大手の携帯電話会社と同じですが、個人的には一切のオプションは必要ないと思っています。カミさんの楽天モバイルを契約する際に「2ヶ月間は無料なのでお試しいただき、必要なければ解約してください」と勧められたオプションの合計金額は月々2千円超。もちろん翌月に解約しましたが、おそらく半数近くの人が解約を忘れて請求され続けるのでしょう。格安SIMのはずなのにオプション料金で割増しされては本末転倒。そのためにも、現在の支払い額とその明細を確認することはとても重要だと言えそうです。これまで1度も使わなかったオプション類は、おそらくこれからも使わない可能性が高いからです。

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まとめ

冒頭の3人には、いずれイオンモバイルか楽天モバイルのデータSIMをお勧めしようかと思います。

同様に、ガラケーやiPhoneから初めて格安SIMに移行する人にとって、まずはSMS付きのデータSIMで試してみる方法がもっとも簡単で安全かもしれません。面倒そうなMNPなどの手続きを必要とせずに契約できるからです。スマホ本体については楽天モバイルが安いのでお勧めしたいところですが、店舗数から言えばイオンモバイルが圧倒的に優位。HUAWEIの「P9 lite」や富士通の「arrows M02」あたりが、おそらく性能も過不足なくコストパフォーマンにも優れているように思います。

イオンモバイルの「データ1GBプラン」(SMSあり月額620円)を軸に、まずは店頭で実機を確認しながら誠実そうな店員さんを見分けて相談してみる。おそらくそれが、現実的な最初の一手です。