「赤」は決して嫌いな色ではないのでしょう。かと言って「好きな色」という意識も無いのですが、これまで赤色のモノを選んできたことは少なくありません。赤い靴、赤い服、さらに赤いクルマは3台も。そして今度は赤い電話。還暦はしばらく先ですが、赤色の訓練が続きそうです。
思い起こせば、当時の「J-PHONE」から「au」へと鞍替えしたのが10年ほど前。理由はいつも足を運ぶショッピングセンター内で「J-PHONE」が圏外だったからです。その時に初めての「au」で選んだのが赤電話。その数台後も赤電話。そして今回も久しぶりの赤電話です。
一昨年の9月。私も時流に乗って「黒電話(Xperia acro)」でのスマホデビューを果たしました。意外にもすぐに慣れ、その便利さに手放せなくなったのは時間の問題だったのです。もちろん私の場合には、それまでのケータイ同様に「通話」がもっとも重要な機能でしたが、その黒電話はデジカメや電子手帳代わりになったり、はたまたポータブルナビにもなるのです。
スゴい世の中になったものだ。驚きながらも喜んで使っていたのは1年弱。徐々にこちらの期待を少しずつ裏切るようになってきたのです。決して不具合ということではないのですが、要は「コンテンツの進化に追い付けないハードウエア」の状況を露呈し始めてきたわけです。
グーグルナビを連続で使用したりすると、ぜいぜい言いながら勝手に固まって休憩してみたり、とにかくレスポンスがぐだぐだになってきていました。どうやらその大きな要因は、システムメモリの容量にあったようです。抱き合わせのアプリが削除できないという「au」の馬鹿げた戦略のおかげで、最終的には絞りに絞って最小にしたアプリのアップデートもできない状況に。
このまま使い続けることは困難。そういう結論を出して、次の機種選定に入ったのが昨年の初冬。そして実際に機種変更(増設)に出向いたのは、仕事が一段落した年末ぎりぎりのことでした。久々の赤電話である「HTC J(ISW13HT)」。昨年の初夏に発売された新しいとは言えないモデルですが、悩みに悩んでこれに決めたのにはいくつかの理由がありました。
最初はもちろん新しい「LTE機」に目が行くわけですが、どの機種も大なり小なり不具合の報告が散見されるのです。おそらく今のスマホ業界は新製品の開発から発売までのスケジュールが短すぎて、十分な検証をしている時間など無いのでしょう。この期に及んで再度ぐだぐだの機種に当たるのもしんどく、特急だという「LTE」のスピードも私には必要なさそうです。
そこで急浮上したのがこの「HTC J」。後継機である「HTC J butterfly」は大人気のようですが、私には「Xperia acro」のICカードをそのまま挿し換えて使えるこの機種の方がいろいろな意味で安全で安心だったのです。また、プランの変更が必要無いこと、機種代金がポイントを使って実質0円になったこと、機種変更手数料がかからなかったことも大きな理由でした。
使い始めてまだ2週間チョッと。すでに多くの皆さんがレビューされている通り、非常にバランスの取れた安定した機種と言えそうです。WiMAXやテザリングにも対応し、必要性があればノートPCを外へ持ち出すことも可能になりました。もちろん今のところは前機種がウソのようなサクサクのレスポンス。そこそこ高性能なイヤホンが同梱されるのも嬉しいところです。
今回の機種変更は私のワガママという点も否めませんが、最小限の投資で機能と通信環境が大幅に拡大したことは非常に満足しています。どうやらパソコンに比べればスマートフォンはまだまだ発展途上。必ずしも新製品が優秀で高品質だと限らないのは、デジタルカメラの世界と同じなのでしょう。これまでの黒電話はサブ機及びWiFi専用機及びワンセグテレビとして。これからはこの赤電話を手に、いつかは赤の似合う男だと言われてみたいものです。