さて、今回の旅のお供として予約したレンタカーがこちら、ダイハツ・ハイゼットカーゴ。もちろん軽自動車なのですが、カーゴと名がつくとおり4ナンバーとなる貨物車両のスペシャリティカー。
思えば、宮古島で軽のレンタカーを運転してから軽自動車に対する興味が深まっていったような気がしますが、実際に幹線道路を除けば意外に狭い道が多い宮古島や来間島では、軽自動車が実に便利。今回は軽のワンボックスを安く貸し出しているレンタカー店に、車種指定で予約したわけです。
消費税やら保険やら、すべて込みで1日あたり2,700円ポッキリ。だいぶ年季が入っているホワイトボディのそれは業務車両感がプンプンと漂い、「わ」ナンバーでなければ観光客用には見えません。
おそらく大型のスーツケースを4つは楽に飲み込みそうなラゲッジスペースは、場合により着替えのスペースとしても活用できます。3速オートマチックのせいもあってエンジン音は常にうるさく、特に登り坂では大きなうなり声を上げるハイゼットカーゴ号。見た目も実に小汚いわけですが、乗るにつれて愛着が湧いてくるのがとても不思議。このまま仙台まで連れて帰りたいほどでした。
この軽貨物のワンボックススペシャリティカー。女性同士の旅ではかなりの抵抗があるかもしれませんが、見た目よりも実用性を重視する男性陣には強くお勧めしておきたいところです。
ちなみに5日間で400kmほど走り、燃費はリッター16kmとなかなかの優等生。車内の水や砂もさほど気にせずに済み、返却した際には細部のチェックもされない扱いだったスペシャリティカー。気兼ねなくガンガン使うにはもってこい。できれば一家に1台欲しくなるような存在感を見せました。
この日は伊良部島へ行くことが第一の目的。とその前に、ちょっとだけ立ち寄ってみましょうと渡ったのが来間島。竜宮展望台から望むその風景は、相変わらず目にごちそうなのです。
▼ 来間島の竜宮展望台より望む来間大橋と宮古島方面。
▼ 竜宮展望台より望む島内方面。
▼ おぉ!気持ち良さそうなボートダイビング。
▼ おおお!気持ち良さそうだけど少しコワそうなパラセイリング。
展望台から降りて近くを散策しようとしたところ、第一島民から声を掛けられました。
時間があるなら座っていけばいいさ~。
あ、それでは遠慮無く失礼します!
御歳80だとおっしゃる「おじい」は、来間島生まれの来間島育ち。いくつかの職務質問を受け、どうやら私たちを怪しい人間ではないとご理解いただけたご様子で私たちもひと安心。
11時には開くから、何か食べていけばいいさ~。指をさされたその先は、「楽園の果実」という来間島ではわりと有名なカフェ。な、なんと、そこの「おじい」だったことが判明し、その時点から私たちは「会長!」とお呼びすることに。
私たちは会長から島のことやお嫁さんのこと、男の生き方など、数々の興味深いお話しを拝聴し、実に有意義で楽しい時間を過ごさせていただきました。残念ながらこの日の昼食は事前に決めていたために「楽園の果実」にはお邪魔できませんでしたが、次の時には是非とも。
7歳だという愛犬シロは、へそ天になってペロンペロン。かわゆいなぁ。おじいと一緒に元気でね。
▼ 伊良部大橋。宮古島側から伊良部島を望む。
さて、いよよ伊良部島へ。今年の1月にやっと開通した伊良部大橋は、無料で通行できる橋としては日本一の長さ(3,540m)を誇るとのこと。この橋が完成するまではフェリーで伊良部島へ渡っていたわけですが、その頃に島の玄関口となっていたのが佐良浜港。これまでの敬意を払い、まずはそこに立ち寄ってみることにしました。もちろん、出来ることなら新鮮なお刺身をいただきたいと。
願いは叶いました。カツオもマグロも「さしみ一皿500円」とありましたが、ミックスにしていただけないかとお願いしたところ、快く「いいですよ~」との返答。港を眺めながら、そこにあがった魚を刺身でいただく幸せ。これが美味しくないはずはなく、サービスだという味噌汁も含めて、相当に価値のある一皿500円のお刺身だったことは間違いありません。
おそらく橋が出来てから人の流れが大きく変わったのでしょう。残念ながらここ佐良浜港に往年の賑わいはありません。しかしながら、個人的には今でもここがもっとも伊良部島らしいところで伊良部島の魅力そのもの。そう感じるのであります。
▼ 伊良部島の名所であるフナウサギバナタ。
▼ 崖下は見事な珊瑚礁。肉眼でウミガメの姿を見ることができました。
▼ 横顔をパチリ。タカの種類である渡り鳥「サシバ」をかたどっている展望台。
▼ 佐和田の浜。水平線上に見えるのは海上に設置される下地島空港の誘導灯。
▼ おそらく、下地島空港を用いた訓練飛行か。
▼ 佐和田の浜で見られるハマヒルガオ。
▼ 下地島空港。やはり先ほどの訓練機が。
▼ 海上に突き出る誘導灯。
▼ 下地島の名所である通り池。ダイビングスポットとしても有名。
▼ 遊歩道が整備されており、見事な水平線を眺めながらのんびりできます。
伊良部島周遊を楽しんでいると、景勝地とも言えるフナウサギバナタで一人の島民に出会いました。
ラパンのバックドアを開けて貝の加工品を販売されていたおじさんは、私たちよりもだいぶ先輩ですが実に人間味のある穏やかなナイスガイです。午前中はここで貝のアクセサリーを並べて、午後からは自宅の小さな一室をお店にしているんですよ。もし時間があったら立ち寄ってみてくださいな。
ありがとうございます!たいていの場合、この類は実現しないご挨拶で終わるのですが、福岡から伊良部島に移住されて11年目だというその先輩の生き方に興味を持ち、島内の周遊を終えてから教えていただいた自宅兼お店へお邪魔することに。そこには実に見事な貝の小部屋が待ち構えていました。