まさに日本晴れ! 日本一晴れ! 星野監督は、パレード開始に先立つ挨拶でそう切り出しました。東北楽天ゴールデンイーグルスのリーグ優勝、ならびに日本一に輝いたことによる優勝パレードが、歓喜に包まれるなか仙台市内で予定通り行われました。心配された天候は、朝に降った小雨がウソのように晴れ渡った日本晴れ。最後の最後まで、東北楽天イーグルスは運も味方に付けたようです。
数日前に下見までして備えたつもりだった楽天イーグルスの優勝パレード。その後、義理の母も観たいと言い出したことにより、残念ながら密かな観覧計画は幻となりました。東二番丁通りが閉鎖される前にカミさんの実家へ義理の母を迎えに行き、結局は新寺にクルマを駐車して歩いて河北新報社付近に到着したのは午前10時を過ぎた頃。案の定、この場所で東側から観ることになりました。
「東北楽天ゴールデンイーグルス」は、そのチーム名の通り、この東北に優勝旗をもたらしてくれました。とうとう白河の関を越えたのです。主催者側から発表された21万4千という人出は、なにも仙台市民だけが集まった数字ではなく、おそらく東北各地やその他の地域からも駆けつけてくださった多くの人たちの集大成。それほど私たちにとっては前代未聞の快挙だと言えるのかもしれません。
優勝パレードの会場となった東二番丁通り沿いは、仙台市内でこれまで目にしたことのないような人の波。仙台七夕の人出は3日間で200万人と言われますが、動かない人たちのカタマリが視覚的にこれほどのインパクトがあるとは凄まじい限りです。しかし、主催者側の綿密な警備計画と、従順な私たち東北人の気質が相まってか、おそらく大きな混乱もなく無事にパレードが進んだことは、今季のプロ野球リーグにおける有終の美を飾るイベントとしては大成功だったと言ってよいのでしょう。
紙吹雪が禁止された代わりに、ときおり吹く風が木々から葉吹雪を散らす晩秋の仙台。空の青と銀杏の黄色と楽天イーグルスの赤。目の前で起こっている夢と現実が、ひしひしと心に染み渡るのです。
プロ野球日本一であるチームの優勝パレードを観られた私たちは、おそらく日本で一番幸運だったのでしょう。と同時に、彼らも実に幸運だったに違いありません。多くのプロ野球選手が生まれ、やがてその役割を終えていくなかで、日本一の優勝パレードを経験できる選手やスタッフはそう多くありません。その幸運を実力で勝ち取った彼らには、来季の年俸を大幅に上げてもらうことを願って止みません。そして、いつの日か2回目の優勝パレードを観られることを願いつつ、帰途につきました。