奥州仙台榴岡公園 源吾茶屋

店名や場所は知っている超有名店なのに、一度も行ったことが無いお店というのは地元でも意外にたくさんあります。ここもそうです。西公園の櫻岡大神宮に隣接する「源吾茶屋」。

これまでいったい何度この西公園を訪れたり、何度この前の道路を通ったり、何度この源吾茶屋を視界に入れたりしたのでしょう。仙台近辺に住む人なら誰でも知っているはずのこのお店。

過去にも花見やジャズフェスの時に立ち寄る機会はあったはずですが、近すぎて行かないということだったのでしょうか。どうも気になってしまい、ウインカーを左に出したのです。

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地下鉄東西線の工事が始まってから、西公園の風景はずいぶん変わってしまいました。残念ながら多くの桜の木も伐採され、開花時のボリュームも格段に減ってしまいましたが、以前と変わらずに佇むのがこの源吾茶屋。学生の頃に立ち寄った仙台市天文台のプラネタリウム。確かこの西公園の中にあったはずですが、今となっては跡地が特定できないでいます。

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そんなことを考えながらお店へ入ったのが13時半過ぎ。比較的空いていましたが、サラリーマンやらご年配のグループやら、来店客が途切れることはありません。どちらかと言えば客層は高年齢で占められ、この私が平均年齢を下げているのは最近では実に珍しいことです。

店名から想像される「峠の茶屋」的な雰囲気ではなく、軽やかなジャズボーカルが流れるモダンな店内。この心地良さは意外で、決して江戸屋敷ではなくモダンクラシカルとでも言うべきでしょう。茶屋というだけあって座敷も用意される広めの空間に身を置くと、どこか観光地にでも来たような錯覚に陥ります。ここは奥州仙台桜岡公園のお休み処。「源吾茶屋」なり~。

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ずんだやごまなどの餅が名物のようでしたが、本気の昼食ということでお願いした天丼はボリュームも十分。決して小海老ではなく中海老が2本とシンプルな内容ながら、衣がたっぷりとサービスされた一品は、タレとご飯のバランスもちょうど良い感じです。厨房で腕を振るうのは4代目のご主人だそうで、すでに5代目の息子さんもご一緒なのは実に心強いでしょう。

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今年で144年目を迎える、明治元年(1868年)の創業だという源吾茶屋。クルマはお店の前の木々の下へテキトーに停めるというユルさ具合も、茶屋らしくて良い雰囲気です。くしくもこの場所は仙台城のお膝元。いっそのこと、この西公園に「奥州仙台伊達屋敷」とでも銘打って、仙台の老舗を集めた町屋敷群を造ってはいかがでしょう。絶好の観光スポットとなりそうです。

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食後に少しだけ散策した西公園。すると、綺麗に整備された側の公園内のベンチに腰を掛ける2人の女性。今日は良い天気ですね~。勇気を出して声をかけてみましたが、あっさりシカトされました。