実に久しぶりで女性をナンパしてみました。その名はジュリエッタ。イタリアの女性であります。真っ赤なドレスに身を包み、ため息が出るほど美しい曲線を持つボディと、とろんとした妖艶な視線。乗ってもいいかい?おそるおそる彼女の耳元でそう聞くと、静かにうなずきました。もちろんだわ。
といったオヤジの妄想はこのぐらいにしておきますが、今回たまたまアルファロメオのジュリエッタに試乗させていただく機会を得ました。アルファの147を愛車に持つ友人が、メーカーで企画した「Alfa Romeo Giulietta 1ウィークモニターキャンペーン」に応募したらしく、見事に選ばれたというのです。是非とも乗ってみますか?友人はそう言いながら、私に送迎をさせたかったようです。
外見は147よりもグラマラスに見えますが、サイズ的に大きくは変わらず、ほんのちょっとだけパスタを食べ過ぎたのでしょう。ただし全幅は1,800mmと、日常的に支障が出ない範囲ではマックスと言えそうで、実際に友人宅の立体駐車場でもギリギリだったとか。エンジンは今流行りの小排気量プラス過給器で、このジュリエッタは直列4気筒の1,400ccにターボという組み合わせだとのこと。
意外なほど上質な乗り味に必要十分なトルク。もっとスパルタンな印象を持っていたのとは裏腹に実に乗りやすいクルマだということは、さほどクルマに詳しくない私でも分かりそうです。逆に言えば、一昔前に感じられたような輸入車それぞれの尖った特徴が薄れてきているのかもしれません。
それは特に、内装のプラスチック樹脂に大きく感じられます。例えば、以前は国産車とドイツ車のプラスチック樹脂に大きな違いを感じたものでしたが、今では相当な高級車以外はどれも同じような質感。このジュリエッタも、その部分に関しては残念ながら友人の147の方が特徴的な味わいです。
アルファロメオ ジュリエッタ。そもそも私のような足軽が検討するような車種ではないのですが、今回の試乗は実に有意義なものでした。やはり私には、よりコンパクトでより軽いクルマが良さそうです。世間一般的には、歳を重ねるごとに立派で大きなクルマを欲しがるようですが、真逆の私はおそらく変わり者なのでしょう。小さくてそこそこ軽いMT車。そちらのほうがワクワクしそうです。