女川産 サンマのまんま

定禅寺ストリートジャズフェスティバルも終わり、この仙台もいよいよ秋へ。と言いたいところですが、「夏本番」が一向に衰える気配はありません。さすがに暑さのピークは過ぎた感がありますが、朝夕はまだまだスッキリした涼しさが無く、早く日が暮れるようになった割には気温がヌルいという違和感を感じる毎日。しかし、さかなクンは秋を先取りしているのでしょう。

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ここ何年も、実家の父親が9月に生サンマを送ってくれるのです。もちろん父が漁船に乗っているわけではなく、私たち兄弟に届け物として手配してくれるのですが、残念ながら昨年は休止となりました。今年はどうかなぁと甘い期待を抱きながら、サンマは買わずにいたのです。

案の定、先週の初めに電話が鳴りました。今年はまたサンマを送ろうと思うけど、北海道産と三陸産があるらしい。あなたはどちらがいい?ありがとうございます!もちろん三陸産で!ちょうど気仙沼や女川に、今年のサンマが揚がったとニュースで報道されていたからです。

そして先週の土曜日。午後からジャズフェスへ出掛けようと予定していた午前中。ピンポーンと宅配便が。え?は~い。玄関へ出てみると、なんとサンマです。早っ!もう来た。それにしても在宅で良かった。生モノ、特にこの生サンマ類は、不在配達だと実に厄介です。

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さっそく受け取って箱を見ると、期待通りに女川産です。よし!いいぞ!同じ宮城県に住む一人の消費者としては、こうして女川に揚がったサンマと対面できるのは何となく感無量。素晴らしい輝きを放つシルバーメタリックのボディは実に見事な流線型で、できることなら次回はこういう色のクルマに乗りたいとさえ思うのです。どれどれ、一匹だけ焼いてみましょう。

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これから街へ出掛けようという直前に届いた今年初のサンマ。下処理も味見も、夜までは待てなかったということです。さっそく一匹だけ塩を振り、グリルに入れて焼入れ開始。小さな小窓から見える焼き具合を張り付きで見守り、裏を返して焼き上がったサンマはご覧の通り。

急いで口に運んだせいか、上あごに火傷を負うほどの脂の乗り。宮城に住む私たちは、逆に脂の乗っていないサンマを口にする機会は無いのかもしれませんが、久しぶりだったということもあってか、実に脂の乗った今年初の焼きサンマは言葉に出来ないほどの美味しさでした。

昨日で震災から1年半が経ちました。まだまだ多くの場所や多くの人たちにとって真の復興は険しい道のりになりそうですが、こうして女川から届いたサカナは、以前と変わらぬサンマのまんま。このシルバーメタリックの輝きは、私たちの未来を象徴しているのかもしれません。