酢豚にパイナッポー

そう言えば、このところ酢豚の存在を忘れていました。熱々に揚がった豚肉の唐揚げが、ピーマンや玉ねぎなどと甘酢あんに絡めてある料理。豚肉料理のなかでも特に好きな一品ですが、食べる機会はそう多くありません。そして、しばらく食べないとその存在すら忘れてしまうのです。

お店によって多少の違いはあれど、酢豚の具材は豚肉の他にピーマンやニンジン、玉ねぎ、タケノコ、シイタケ、キクラゲあたりなのでしょうか。さらには、時に物議をかもしだすことになるパイナッポー。酢豚にパイナッポーがアリかナシか。これは実に悩ましい問題なのです。

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上の酢豚は、データを見てみると2010年10月17日の撮影とあります。若林区荒井にお店を構える中国料理「楊全」の一品だと思うのですが、見る限りにおいてはパイナッポーが入っていません。一方で、下の酢豚は2012年4月16日の撮影。つまり今日の酢豚です。

どうにもこうにも遅くなってしまい、平日の夜としては異例の外食となってしまった今夜に飛び込んだのが「大阪王将」。そこであらためてメニューをながめて「酢豚」の存在を思い出したのです。

「黒酢酢豚」と名付けられたその一品は、厚切りされた豚バラ肉を使った少し珍しい酢豚で、肉があらかじめ蒸されているのか煮込んであるのか、とてもやわらかい食感。

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ピーマンに代わってにんにくの芽が緑色を彩っていますが、どうやらこちらにもパイナッポーは入っていません。もちろん、そのことで酢豚のオーダーに影響を及ぼすことはありませんが、酢豚にパイナッポー。個人的には「アリ」なのです。というか、大好きと言ってもいいでしょう。

このことが友人などの間で話題になると、どういうわけか私の周りではパイナッポー派が劣勢に立たされます。やれ味オンチだのやれ変態だの。おかずに果物を入れるなら頼むから地球外でやってくれだの・・。まったく勝ち目がなく、もはや黙って寝たふりをするしかないのです。

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言われてみれば、最近はパイナッポー入りの酢豚を見ていません。知らないうちに酢豚とパイナッポーは離縁してしまったのでしょうか。あのパイナッポーの酸味と甘味が豚肉の美味しさをいっそう際立たせ、さらには油分の多いこの料理にサッパリとした後味をもたらすのです。

その昔、周富徳氏が言っていました。酢豚の甘酢あんには、隠し味でイチゴジャムを入れると美味しいぞ。それを聞いてから、クックドゥの酢豚の素にはイチゴジャムを必ず加えるようになったわけですが、これが本当に美味しいのです。酢豚とフルーツ。隠れても食べたいものです。