無線。文字通り、線が無いということです。思い起こせば、その昔には線で繋がっていたものが、時代とともに身の回りの道具も無線へと進化したのです。
驚いたのが、テレビのリモコンを初めて見た時で、それまで手でガチャガチャ回していたチャンネルを、手元のリモコンで操作できるようになりました。子供の頃、兄は「1!」や「12!」などと、手動のチャンネル操作を私に指示していましたので、兄にとって私はリモコン代わりでした。よって、テレビのリモコンが世に誕生して喜んだのは、その高圧的な指示から解放された私だったのです。
また、生まれた町には「有線放送電話」などというものもありました。いつも突然に、その電話からどこかのおばさんが町のお知らせなどをしゃべり出すわけです。やがて電話自体もコードレスとなり、今やなんでもかんでも道具から線が消えつつある時代になったのであります。
そんな便利な時代でも、我が家でこれまで有線であり続けた道具がパソコンでした。メインがずっとデスクトップなので無線にする必要もなかったわけで、カミさんが会社のノートPCを自宅で使うようになってからも、ルーターから1本のケーブルを引き出して有線での利用だったのです。
しかし、最近になりそのケーブルが断線しました。何者かにかじられたようです。
マジで?見ると、大きなネズミにでもかじられたような感じで、完全に断線しています。またケーブルを買ってきて引っぱるのも面倒な作業だなぁと思っていたところ、無線LANってどうなのよ、とカミさん。え、え?むせんらん?知ったフリをしても、まったく分からないのです。
おそらく、イマドキは無線LANを利用されている人のほうが多いのでしょう。しかし、ずっと有線だった私には未知の世界。なんとなく、電波を飛ばすルーターが必要だろうということぐらいは分かりますが、どれが良いかも分かりません。
とりあえずネットで調べてみると、なんだか高いのから安いのまで様々。スピードがどうたらと言っていますが、そもそもウチの壁までどれほどの速度で来ているのだろうと有線デスクトップで測ってみたところ、約30Mbpsぐらい。
結局、私たちの使用環境では最安値のルーターで必要十分という結論となり、バッファローで出している製品をAmazonで手に入れたのであります。2,855円という無線ルーターの投資金額は、新たなケーブル代と壁を這わせる作業時間を考えれば十分に納得できそうです。
少し心配していた接続方法も、セットアップCDのおかげでいとも簡単。これならもっと早くに無線LANを導入すればよかったと思ったのですが、今回はケーブルの断線がきっかけでした。
ケーブルをかじって断線させた犯人は未だに捕まっていません。おそらく、大きなネズミかもしれないという推測は出来るのですが、これまでウチにネズミが出たことはありません。こればかりは現行犯で逮捕するしか方法が無いわけで、有能な鑑識班も首を傾げるばかりです。
え?オタクのニャンコだろうですって?
まさか。うちの子に限って。
しかし、捜査班のなかで腕利きの一人がこう言っていました。犯人は必ず現場に戻ってくるはずだ。