本来であれば、このような暗い話題を書くことは本意ではありませんが、ブログの役割の一つが自分の日記だと考えれば、おそらく数年後に読み返す自分自身のためにも記録として残すことにします。
我が家のニャンコ伯爵が、主治医から「腎不全の末期」であると告げられました。ある程度の覚悟をしていたとは言え、出来ることなら現実から逃避したい。このような試練は乗り越えたくない。時間を止めて欲しい。そう思わざるを得ないほど、精神的にも動揺しています。
猫の世界においては、高齢になればなるほど発症率が飛躍的に高まると言われている慢性腎不全。発症というよりも、むしろ老化に伴う必然的な臓器の消耗だと理解すべきなのかもしれません。
私たちが彼の異変に気付いたのは約1年前。飲む水の量の多さと排尿の回数及び量の多さに、最初は猛暑によるものだろうと考えたのですが、念の為に主治医に診てもらったところ、腎機能低下だとのこと。彼はこの時から、慢性腎疾患の患者となったのです。
おそらくは、もっと以前から少しずつ彼の腎機能は低下してきていたのでしょう。しかし、それまでは病気の一つも経験が無かったことに加えて、食い意地番長と呼ばれるほど食欲はまったく衰える気配もありませんでした。むしろ、体重を増やさない管理が大変だったのです。
主治医の指導もあって、昨年からは彼の食事を腎臓サポート用のメディカルフードに切り替えましたが、それも良く食べてくれて食欲だけは人一倍、いや猫一倍。彼は自分が慢性腎疾患患者である素振りを、私たちに一つも見せようとしませんでした。普段と何ら変わらぬニャンコ伯爵だったのです。
私たちが彼に起こっていた些細な異変を感じ取ることができなかったのかもしれません。尿や便、食欲や睡眠欲などには大きな異常も見られないまま、強いて言えばこの1年間は以前に比べてずいぶん甘えん坊さんになってきたということぐらいです。約1週間ほど前までは。
もともと生命力の強い子でしたが、それも限界に近づいてきていたのでしょう。腎不全による障害は急激に表れました。横になっている時間が長くなっているとは感じていたのですが、後ろ足に少しずつ運動の障害が見られ始めたと思ったら、先週の中頃からはとうとう一切を食べなくなりました。それがここ1週間ほどで急激に進行したことに、私たちは驚きと動揺を隠せないでいます。
そして、先週末の血液検査で出た結果が、腎不全の末期。今では自力で立ち上がることすら出来ず、一切の食事を受け付けず、場合によって少しの水だけは飲んでくれる状態。毎日の通院による皮下点滴と注射が彼の最後の生命線となっている状況は、見るに堪えません。
これまでペットを飼われてきた数多くの方々が、この難局を克服されてきたのでしょう。今は私たちがその時を迎えようとしています。おそらく、上の写真のような彼の勇姿はもう見られないであろうことを覚悟していますが、私たちとこれまでの18年間を過ごしてくれた最大の感謝を込め、彼が長く過ごしたこの居場所で、1分1秒でも彼と一緒にいたいと感じています。