さすがに直射日光はまだまだ夏の力強さを持ったままですが、吹く風には少しだけ秋の気配を感じるようになりました。あのうだるような猛暑からは、ようやく開放されたとみて良いのでしょうか。
ひと頃に比べれば夜もよほど寝やすくなり、できることなら48時間ぐらい寝ていたいと思うのですが、一方で少しずつ遠ざかる夏に何となく別れを惜しみたくなるのも事実です。
ようやく真夏を通り越した感がある今日この頃。まさか鍋焼きうどんを食べるには気が早いのですが、あと1ヶ月ほどすれば芋煮会のシーズンもやってきます。そして、一足早く芋煮会の雰囲気を味わうには豚汁。というわけで、最近のお気に入りはこれ。カレーと豚汁です。
実はこのカレーと豚汁はここ半田屋の人気セットのようで、私が食べる時には必ず他のお客さんが食べているのを目撃するのです。10日ほど前には、ちょうど営業ウーマンらしき一人の若き女性と、別のテーブルではオジさん、そして私を含めた3人が同時刻に同じ店内で同じカレーと豚汁のセットを無言でやっつけていたのには、思わず笑いそうになりました。
まるで、スキー場レストハウスの看板メニューのようなカレーと豚汁。ちなみにこれは常にセットで提供されているわけではなく、210円のカレーライスに110円の豚汁をオーダーするわけです。
320円という合計金額は、おそらく半田屋の平均客単価を下回る値だと思うのですが、されどこの320円の小さなセットには、価格から想像できない大きなシアワセが詰まってます。
大きめに切られたジャガイモが、ごろんごろんとカレーに埋もれているサマは絵的にも決して悪くなく、少しのニンジンと少しの肉、そしてわずかに原型を留めている玉ねぎ、さらに何と言ってもカレーの味が普通で実に良いのです。昔から慣れ親しんだ普通のカレーライスを、210円で食べることができる喜び。豚汁からは、抱き合って離れない豚バラ肉が登場したりするのです。
今日の陽気では食べ終わった後に少しだけ汗ばんでしまいましたが、おそらくこれからますます回数が増えると思われるカレーと豚汁。残念ながら今日は私以外にこのセットをやっつけている人の姿は見られませんでしたが、あの時の営業ウーマンがまたこれを召し上がっている姿を見かけたら、思わずそばに寄ってこう言ってしまいそうです。
お嬢様、お目が高い。