お盆休みに親戚と一緒に出掛けることとなった「大内宿と会津の旅」。宿泊当日まで2週間を切る時期での予約だったため、なかなか適当な宿が見つかりませんでした。検討されていた予算もふんだんにあるわけでもなく、かと言って高齢者同伴なので部屋の仕様にも多少は気を配るのです。当初は大内宿からもほど近い「湯野上温泉」という温泉地で探したのですが希望の部屋が見つからず、ここは定石通りに「会津東山温泉」で探してみようとなったわけです。
そこで運良く空いていたのが「庄助の宿 瀧の湯」という旅館です。5名で2部屋という条件で、しかもこの時期にもかかわらずリーズナブル。東山温泉自体が初めてでしたので、数ある旅館群の評判もまったく未知の世界。多少の不安はあれど、「庄助の宿」という名前に一票を。
会津東山温泉街のちょうど入り口あたりに立地する「瀧の湯」。宿に着いたのは15時過ぎでしたが、その後も次々と宿泊客がやってきます。係りの人に聞いてみたところ、この日はすでに満室だとかで、私たちも予約が少し遅ければ取れなかったのかもしれません。到着後に冷たい抹茶が振舞われるロビーまわりはとても綺麗で、なかなか期待感を持たせてくれます。
予算が限られていましたので、夕食は決して豪華とは言えないまでも、量的にも必要十分で大変美味しくいただきました。シルバーチームは多少の不満が残る内容だったようですが、ここは会津、刺身の舟盛りを期待されても困ります。とは言え、ペロっと残さず召し上がった様子。
温泉の泉質は、「カルシウム、ナトリウム、硫酸塩化物泉」となっていますが、ほとんど無味無臭の単純温泉のようで大きな特徴を感じるものではありません。宮城県では「青根温泉」のお湯と少し似ているようですが、それが逆に肌に優しく感じられ、何度浸かっても飽きないお湯です。貸切風呂も含めて、何箇所かの湯船からは文字通り「瀧」が見渡せ、実に風情を感じるのです。
一部の建物や部屋に多少の古さは否めませんが、どこの旅館でも経年劣化はやむを得ず、少しずつ改修を進めているという「庄助の宿 瀧の湯」。まるでそれを補うかのように、随所で一生懸命さが伝わってくる心配りが見受けられました。意外にも若いカップル客も多く見られたこの旅館。謎の人物「小原庄助さん」のように、毎日ここのお湯に浸かりたいものです。