仙台弁 「ごしっぱら」

さて、「ごしっぱら」が調理される状況で、適切なものを次のなかから選びなさい。

1.炒める

2.蒸す

3.焼ける

4.茹でる

5.焦げる

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正解はもちろん3の「焼ける」で、「ごしっぱら」は常に「焼ける」ものなのですが、これは食べ物ではなく私たちが長年にわたり代々使ってきた言葉で、例えばこのような使い方をされます。

例1「今朝バス停でバス待ってだっけやぁ、おばちゃんいぎなり横入りしてくっとごだど。まんずまんず、ごしっぱらやげっこだや~」

例2「おらほの町内会で昨日やった川の掃除、半分ぐれ来ねくてや。ま~ずごしっぱらやげる」

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仙台や宮城以外の皆さんには、いったい何のことを言っているのか見当も付かないと思われますが、宮城の方言で「ごしっぱら焼げる」という言葉があるのです。意味は「頭にくる」や「腹が立つ」ということですが、「ごしっぱら」が何を意味するのか誰に聞いても分かりません。

まったく個人的な推測ですが、「ごしっぱら」と言うのは「腹」か「腸(はらわた)」を意味するのではないかと思われ、だとすると「はらわたが煮えくり返る」という表現に近いと思うわけです。もちろん、「焼ける」よりも「煮えくり返る」の方が激怒の度合いが増幅している感じであります。

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この「ごしっぱらやげる」。残念ながらライブで聞かれることはほとんど無くなったような気がします。意表をついて小学生あたりが使ったりしてくれると面白いのですが、そうもいきません。

使う人が減ってきても、耳にすればまだまだ意味が通じる方言ですが、何とか「ごしっぱらやげる」ことのないように、このお雛様のような面持ちを保ちながら穏やかに春を迎えたいものであります。