思い出してみると、昔はどんなお店にも必ず「マッチ」が置いてありました。もちろん今よりも喫煙率が高かったのでしょうし、当時は「分煙」という意識もなく、ある意味タバコ天国でした。
「マッチ」は、お客様が店内で吸うタバコの火を用意するという意味合いの他に、一種の販売促進物という側面もあったのだろうと思われます。まるでそのお店の「名刺」代わりのように。
先日、仕事のついでにチョッとだけ実家に寄った際に、その昔私が過ごしていた部屋(現在は甥が使用)で探しモノをしていたところ、机の引き出しからいくつかの「マッチ」が出てきました。仙台のジャズ喫茶「カウント」や、当時入り浸りだった大河原の「白いらいおん」のマッチが。
懐かしい・・と思わず見入ってしまいましたが、おそらく当時はお店に行った証にマッチを持ち帰る習慣が付いていたのだろうと思われ、実際には使っていないマッチがほとんどなのです。
そこでふと気が付いたのですが、そう言えば実家の父もマッチを集めていたような気がします。
父は完全な非喫煙者なのですが、確か出掛けた先の記念品としてマッチを収集していたことを、私もなんとなく憶えていたのです。さっそく本人に聞いてみたところ、今でも保管してあるらしく、見たいのなら出してくるぞとのこと。お願いしたらニコニコしながら出してきました。
えええっ?す、すごいコレクションです。こんなにあるの?よくもこれほど集めましたねぇというほどの量で、おそらく私が実家を出てからもコツコツと収集を続けていたのでしょう。箱の中に眠らせておくのはもったいないので、今回ほんの一部を公開すべく借りてまいりました。
中には私が生まれているかどうかいう時代のマッチもあるようで、ご年輩の方には懐かしく感じていただけるかもしれません。すべて仙台ではお馴染みの店のマッチで、ここからは私の回りくどい話しなどは必要無いでしょう。少し長くなりますが、懐かしのマッチをご覧ください。
仙台の名だたる老舗や、残念ながらすでに無くなってしまったお店など、どれもこれも昭和のど真ん中を感じさせるマッチばかりです。これはまだ一部で、とても1、2回では載せきれませんので、また後日何回かに分けてご紹介させていただく予定です。