サンヨー炊飯器 おどり炊き

遠い記憶をたどると、私が生まれ頃から何年間か、実家では炭を燃料とした土釜でご飯を炊いていたのを思い出します。台所には備え付けの土釜専用スペースがあり、確か下の方にある四角い扉のようなところから入れる炭を火力として、一番上には子供の私では持ち上げられないほどの土釜の蓋があったように記憶しています。その後ガスによる炊飯方法に取って代わるまで、その釜は毎日活躍して私たちに美味しいご飯を提供し続けてくれたのでしょう。

思えばガス炊飯器のご飯もなかなか美味しかったのですが、今の電気炊飯器が家庭の主流になってからは、滅多にガスで炊いたご飯にもお目にかからなくなりました。もちろん現在の我が家でも電気ですが、購入してからすでに10年以上が経つ「IH」のタイプ。

タイマーが壊れている程度で炊飯はキチンとこなす10年選手。完全に壊れるまでは買い換えるなどとは考えも及ばなかったのですが、どうもここ数年ご飯が美味しく感じなかったのです。

決定的だったのは、今月の初旬に新米をいただいて食べた時でした。あれ?新米って、こんなもん?そう言えば昨年の新米の時も感動はなかったような。これは炊飯器のせいかも。

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壊れていないのに買い換える出費の悲しさ。しかし、ご飯、しかも新米が美味しく食べることが出来ない悲しさも大きいのです。曲がりなりにも、米どころの宮城に生まれていながら。

もう我慢できません。美味しいご飯が食べたい一心で、炊飯器買い替え作戦の開始です。

量販店でいろいろと物色してみたのですが、10年以上も経つと炊飯器業界は何が何やらさっぱりわかりません。価格も1万円台から7~8万円まで。いったい何がどう違うのかも分からないまま、とりあえず「圧力IH」のタイプから、ネットなどでも評判の高いものを。

結局のところ購入に至ったのは、サンヨー製の「おどり炊き」シリーズ。念のためにご案内させていただきますと、このシリーズは米が「おどる」ように炊き上がるという事らしく、米が炊き上がるまで私たちが「おどり続けなければならない」わけではありませんのでご安心を。

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結果は十分に美味しいものでした。これぞ新米、これぞ白飯。昨日も書いたように、主食にはこだわらず毎日ご飯を炊くわけでもないのですが、食べる時には美味しいご飯を食べたいと思うのが日本人ですし、ましてや私たち宮城人にとっては昔から米の美味しさは譲れません。

ところで、家電売り場で輝いていた最高峰の炊飯器は、どのようなご飯が炊けるのでしょうか。もちろんウチでは炊飯器に7~8万円も出せる財力も気力もありませんが、どんな味かが気になるわけです。仮に間違ってそんな高価な炊飯器などを購入してしまったら、次月からはそれに入れる米が買えなくなり、毎日空の炊飯器をながめて過ごす日々が続くに違いありません。