ニャンコ男爵脱走秘話1

IMG_4058

私がパソコンに向かってブログを書いていると、男爵がたまにピョンと膝の上に乗ってきます。そして、なにやらニャ~ゴニャ~ゴと言うのですが、よく耳を傾けてみると・・。

最近とんとボクの話題を書いてくれないにゃ。もう皆に忘れられてるにゃ~。

いやいや、そんなことはないのですが、男爵は食べてるか寝てるかで、ネタになりませんよ。それならわかりました。あのハナシ、皆さんにバラしちゃいますからね~。

そう答えると、ニャーゴ!ニャゴニャゴ~!と言い放ってピョ~ンとどこかへ行ってしまいました。

IMG_4063

もう15年ほど前のことになりますが、男爵は一度だけ脱走して行方不明になったことがあるのです。完全に私たちの責任で、結果的に男爵にはとても辛い思いをさせてしまいました。

東京で男爵と一緒に生活をし始めて1年が過ぎたころ、ちょうど私は当時勤めていた会社を退職して仙台への引越しの日取りも決めていたところでした。少し休みも取れたので、この機会にということで3週間ほど旅行に出掛けることにしたのですが、帰ってきてすぐに引越しというスケジュール。

問題は男爵でしたが、そう遠くないところに同じ猫種を飼っている親しい友人がおり、お願いすると快く3週間の預かりを引き受けてくれたのです。ちなみにそちらは男爵よりも少しだけ若いメス猫で、以前もお互いを引き合わせたことがあり、初対面ではないという絶好の環境でした。

少し長いなぁという不安はあったのですが、友人も猫飼いのプロですし、一生のうちでこれほどの長い旅行はおそらく最初で最後になるだろうということで預かってもらうことにしたのでした。そして私たちは、アロ~ハ~!とノーテンキにハワイへと旅立ったのでありましたが。

IMG_4070

長い旅行から無事に帰ってきて自宅へ戻り、お土産を整理してすぐに男爵を迎えに行こうとしているところへ一本の電話が。え?彼が脱走?そして失踪中?マジで?

当時は携帯電話もありませんでしたので、友人は私たちが帰ってくる予定日の朝から何度も電話を掛け続けてくれていたそうです。聞くところによると、友人宅に突然の来客があり、ふだんは掛けている鍵をたまたま掛け忘れていたところへ客人が突然ドアを開け、その瞬間に男爵が一目散に外へ飛び出して行ったとのこと。電話へ出ているカミさんはもう泣き声です。

で?いなくなってからもう何日?

4日目だそうです。4日・・かぁ・・。

IMG_4064

電話口で必死に謝っているという友人。いや友人の責任ではなく、誰の責任でもありません。しいて言えば私たちの責任です。とくかく私たちはすぐに友人宅へ向かいました。友人宅の周辺は「探し猫」の張り紙だらけ。ご主人が、失踪した日から近所に張りまくり、仕事を休んで探し回ってくれていたそうです。その日は友人宅に泊めてもらい、私たちも徹夜で捜索したのですが、残念ながら手掛かりはつかめませんでした。つづく・・。