新年度の始まり

こんりんざい歯医者からトンズラしないと決意した私でしたが、自分のブログからはしばらくトンズラしてしまいました。この間にご来店くださいました皆さまには、心より申し訳なく思います。

このブログの存在がバレている直接の友人や知人は、おそらく10人にも満たないわけですが、こうも更新が滞ると何かが起こったのかと心配してくださるらしく、先週の後半あたりからポツポツと電話が入り始めました。実にありがたいことです。当の本人や家族に何か異変が起こったというわけではなく、抜歯によるダメージが少し尾を引いたことと、今年も3月11日が近づくにつれて、なんとなく気持ちが落ち着かなくなったというわけです。

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昨年もそうでしたが、今年も同じでした。ふだんはまったく意識していないのですが、この3月前半の日々はどうも気持ちが落ち着かずに、胸の鼓動が高まるのです。3月11日をピークとして。自分らにふり掛かった災難は大したことがありませんでしたが、家を失った方々や故郷へ帰れない人たち、さらには子を失った親御さんや親を失った子供たちのことを思うと、冷静を保つことはできません。

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いつまでも・・と考える向きもあるでしょう。テレビの報道などでは「風化」という言葉さえ聞かれます。しかし、それは自分の身を相手に置き換えれば「風化」などするはずがありません。個人的には、3月11日を県の条例で休日にしていただきたいと思うほどです。慰霊と防災の、宮城県の休日。

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戦後生まれという表現がありますが、今は戦争も震災も経験された多くの証人がご健在です。しかし、数十年後には戦争の証人がこの世に存在しなくなり、震災の経験者だけとなるのです。そして、やがては震災未経験者の人口も増えてきます。いずれは震災後生まれと表現するのでしょうか。そんなことを想像すると、私たちはあの日のことを忘れることなく記憶に留める必要があるのでしょう。

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先週から春の足音が聞こえ始めました。また一年、私たちは前を向きながら進まなければならないようです。自分の出来ることに限りはありますが、これまで通りに県内産品の食材を口に運び、周りをよく見ながら復興を願ってまいります。私たちにとっての新年度は、本日からなのかもしれません。