スマホオヤジ組合

これまで普通のケータイを使い続けてきた親しい友人が、やっと重い腰を上げてスマホへの変更を決意しました。彼がケータイに求めていたものは、通話と少しばかりのメール。実に潔く真っ当な考えで異論はありませんが、スマホで展開できるナビゲーションに関しては以前から興味を持っていたようです。そこに届いたのが、携帯電話会社が用意したお得なクーポン。

スマホプロジェクトが立ち上がっていた彼から相談を受け、とうとう昨日に機種変更を済ませたのであります。彼のなかでは「iPhone5」も有力な候補だったようですが、当初の目的である「ナビゲーション」には難がありそうだとのことで却下。アンドロイドに落ち着いたようです。

クーポンを使ってかなりお得な機種変更を済ませた彼と別れてから、試験的に電話を掛けても一向に出る気配がありません。すると向こうから掛かってきて、電話に出る方法が分からないと。

おいおい、こらこら。オヤジ具合にもホドがあるということです。おそらくロック画面の解除かと思いましたが、機種が違うので的確な助言ができず、取説を読みながら頑張って対処せよと。

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今日になり、少しは背中を押した私も彼のことが気になり始めました。電話に出ないメールも返ってこないでは、こちらも困ります。すると彼からSOSの電話が。時間があれば、最低限の設定をお願いできないかと。私も決して詳しいわけではありませんが、スマホに関しては彼よりも一年先輩です。よろこんで。スマホオヤジ組合が2人揃い、悪戦苦闘が始まりました。

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設定を進めながらも、彼とはこれまでのケータイ談義。なんでこうなっちゃうんだろー。ボタンもダイアルも無い。昔はデジタルツーカーだったのセルラーだったの、その前はピッチだったの、さらにその前にはトランシーバーだったのと。さらに、小学校の高学年の頃に流行った「スパイ手帳」のハナシが飛び出しました。あ~!水に溶ける紙で出来ていたヤツですね。

そうそう、なぞると文字が浮き出てくるペンと紙もあった。彼は「スパイ手帳」をポケットにしのばせ、ウインカー付きの自転車を操り、そしてトランシーバーを駆使しながら町の安全を守ったのだそうです。うちはトランシーバーなんて買ってもらえなかったなぁ。恵まれていましたね~。

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そんな彼から、実に良い話しを聞かせていただきました。トランシーバーこそが会話の基本だというのです。あの道具は、こちらが話し終わった後に「どうぞ」と言ってから相手の声を待つのだと。つまり、人のハナシは最後まで聞くことが鉄則で、それが会話のキホン中のキホンだと。

大笑いしてしまいましたが、確かに彼の言う通りです。電話にしても対面の会話にしても、あるいはミーティングにしても、私たちは相手が話している最中に自分も喋ってしまうケースがあるのかもしれません。しかし、トランシーバーはそれが出来ないのです。ボタンを押して自分が喋り、そして「どうぞ」と言わない限りは、相手が勝手に喋り始めることは出来ないわけです。

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そんなこんなで必要としている最小限の設定も無事に終わり、どうやら彼もスマホオヤジ組合の仲間入りを果たしたようです。それにしても、これはしんどいね、と彼。予想以上の難敵だったようですが、確かに現代のスマートフォンは、昔に愛用したスパイ手帳どころではありません。

私もスマホオヤジになってから早一年。現在の機種はシステムメモリの容量不足でアップデートもままならない状態ですが、もうしばらくは使い続けなければなりません。システムメモリ不足なんて基本性能なのに実にけしからん!私がそうグチると彼は笑いながら言いました。

いやいや、基本性能が落ちてきているのは、スマホを使う我々オヤジの方ですよ。むむむ。なるほどね~。細かい文字も見辛いしね。今日は彼の言うことがイチイチごもっともなのでした。