パナソニックの掃除機

我が家においては、「コンシューマエレクトロニクス事業推進部長兼購買担当足軽」という長い肩書きを持つ私ですので、いわゆる家電製品の新規購入に関する機種選定については、小さな権限と大きな責任を持っているわけです。しかし、自分が少しでも興味が湧く案件ならいざ知らず、正直なところどうでも良いと思う案件については実にいい加減。何でもいいんじゃね~の?

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今年の春頃、カミさんが友人達から功労賞的な物品をいただけることになりました。え!マジで?おめでとう!この際、デジタルカメラでもいただいたら?と満面の笑みで私が助言すると、寝言は寝てから言えと。だよね。私は掃除機が欲しいな~。え~?なにす?そ~じき?

正直なところ、どうでも良いと思う案件が持ち上がりました。あら、そう。何でもいいじゃん。ゴミさえ吸ってくれれば。家電担当の足軽とは言え、さすがに掃除機にはまったく興味がありませんし調べる意欲もありません。しかし、掃除機をかけるのはいつも私の仕事なのです。

頼むから、重くてゴツいのは勘弁してよ。なんだか今流行っているガンダム系のようなヤツ。あれだけはヤメてくれ。掃除機は軽くて強力なモノが一番。紙パックでいいから軽いヤツね。

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その数日後、カミさんは大きなダンボールを持ち帰りました。どうやら家電量販店で自分なりに調べ上げ、その型番を友人にお伝えしていたそうです。そして箱から出てきたのは、ナショナル、いやパナソニック製の見事なガンダム系掃除機。マジすか・・。なにコレ。ずいぶん大袈裟だぁね。

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掃除機をかける私のことをまったく考えていない選定と言える、この大きさと重さと大袈裟感。チョッと勘弁してくれよ~。まるで体育館でも掃除するのかと思うようなボディ。ブツブツ言いながらもしぶしぶ電気コードをコンセントへ差し込んでスイッチオン。ん?重くはないね。

ヘッドに付いているブラシが回転するためか、何となく自走する感じで軽いのです。しかも音も意外に静か。おやおや?時おり「ハウスダスト発見」ランプが点灯して自動で回転数が上がります。なにコレ。ハウスダストを発見したんじゃない?とカミさん。そのまんまや。

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これはスゴい!最初こそブツブツ言っていた私でしたが、面白いようによく吸い込む新人の掃除機君を、部屋から部屋へと散歩に連れ出していたのです。スゴいじゃん、これ!でしょ?

カミさんなりに調べたようです。この手では有名なDソンの掃除機よりも安くて軽く、しかしながら高性能。私にとってナノイーやエコナビといった機能はどうでもよいのですが、ゴミを吸い取るという基本性能はこれまでで間違いなく一番。特に我が家はニャンコの毛がジュウタンやカーペットなどいたるところに張り付いているのですが、回転ブラシがそれを掻き出します。

言ってみれば、これまでの掃除機は見えるゴミやホコリを吸い取ってくれていた一方で、このパナソニック機は見えないホコリや絡み付いた毛やゴミまでも吸い取ってくれるという印象。とにかくこの掃除機を使えば使うほど、どんどんとゴミが溜まっていくのが目に見えるのです。

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今や各メーカーともこの方式が主流になりつつあると聞きますが、恐るべしガンダム系掃除機の実力。家電担当非常勤であるカミさんが投じた一球は、見事にど真ん中のストライクだったのであります。思えば結婚して初めて手に入れた掃除機は10年チョッとで壊れ、その次に購入した2台目は今回の新人にその座を奪われました。驚くほど高性能になっていた掃除機業界。様々な親切な工夫も満載の3台目。これがホントの「三度目の掃除機」です。