青根温泉と青根洋館

身体中の細胞たちが温泉成分を求めてたのは分かっていたのですが、このところなかなかお湯に浸かる機会はありませんでした。しかし、そろそろ限界のようです。自然の空気をたっぷり吸い込んで温泉にとっぷり浸かる。私の場合、これが細胞の活性化には効果てきめんなのです。

午後から向かった先は遠刈田温泉。どばどばと注がれるソリッド感のある遠刈田の湯に浸かれば、おそらくカラダもシャキっとするに違いない。そう思ってニタニタしていたわけですが、温泉街の共同浴場はいつになく大繁盛の様子。混雑を避けて次に向かったのは、青根温泉です。

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蔵王町の隣りに位置する川崎町の青根温泉。遠刈田温泉からは15分前後でしょうか。共同浴場となる「じゃっぽの湯」は、以前にいくつか設置されていた風情のある共同浴場が閉鎖されて一つに集約された新しいお湯処。ほらほら私の細胞たちよ、久々の温泉を楽しむがよい。

遠刈田のお湯のソリッド感に比べると、青根温泉のお湯は非常に柔らかくて優しい感じです。相変わらずクセのない泉質は万人受けするはずで、とろりとした湯は湯上りの肌もすべすべ。

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湯上りには実に心地良い季節となりました。温泉の後に外で風に当たるのは至福の時間なわけですが、ふと向い側へ目を移すと立派な洋館が。確か以前にも目にしていたのすが、実際に入ってみたことはありませんでした。その名も「青根洋館」。ちょっとだけお邪魔してみましょう。

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実に素晴らしいたたずまいです。要は、明治の末期に宣教師住宅として現青葉区米ケ袋に建てられた館を、1959年に東北学院がこの近くにセミナーハウスとして移築。後の1999年に廃館となり、2年後に川崎町へ譲渡された後に再びこの地へ移築復元されたとのこと。

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まるでオーベルジュのような雰囲気の「青根洋館」。1階は観光案内所を兼ねた休憩所として開放され、2階は古賀政男氏と青根に関する資料館となっており、いずれも無料で入館することができるようです。じっくりと館内を拝見させていただいた後、この風情のある雰囲気にすぐ引き上げるのはもったいないということになり、コーヒーとお菓子をいただくことにしました。

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正直なところまったく期待はしていませんでしたが、なんのなんの大逆転。地元のお母さんがお作りになるパンプキンケーキとコーヒーのセットが400円とは、このような観光地においては価格破壊と言えます。しかも、ケーキが甘さ控え目で実に美味しく2度もビックリなのです。

次の焼き上がりもワンホールで見せてくださいましたが、それも実に美味しそう。ちょうど10ピース分ですから2千円で持ち帰りをお願いしてみたところ、許可を得ていないからダメなんですよと。く~残念。是非ともまた食べにいらしてください。ええもちろん、またお邪魔しますとも。

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不思議なもので、遠刈田温泉が混んでなければ来ることがなかった青根温泉。「じゃっぽの湯」でお湯に浸かり、湯上りには向かいの「青根洋館」でコーヒーとパンプキンケーキで穏やかな時間を。もう少しで川崎町の蕎麦を使ったお菓子も用意されるのだとか。合計700円で楽しむことが出来る新しい青根温泉の過ごし方。実に価値のある700円だったようです。