ツーニャンズ劇場

このたびご縁があって迎えることになったゴマシオアザラシの「チョロ助」。先住のニャンコ先生に対して、こちらは「ミニニャンコ」です。一般的に、私たちはどちらかと言えば大きいものよりも小さいものに対して「可愛い」という感情を持ちやすいと言えそうです。人間の赤ちゃんはもちろん、猛獣や怪獣の赤ちゃんでも「可愛い」と言われます。私のようなオヤジ組などは「可愛い」と言われなくなって半世紀近く経つわけですが、幸いにも相手をそう思う感情は持ったまま。

ニャンコとの生活経験は20年弱ですから、決して短くはないのかもしれませんが、複数頭との生活はまったくの初めて。いわゆる「多頭飼い」に関しては完全に初心者です。様々な面から相当に迷ったことでしたが、私たちの年齢からしても今回が最後のチャンスかもしれないと決断したわけです。それが吉と出るかどうか。特に先住猫にとって吉なのかどうかです。

というわけで、先月の末に1歳を迎えたばかりのニャンコ先生は、チョロ助が来たことによって早くもお兄さんになってしまいました。実のところ、この2頭は父猫が同じである本当の兄弟で、これもつくづく何かのご縁だと感謝しながら迎えさせていただくことになったのであります。

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新人を迎えるにあたってもっとも心配したのは、もちろん先住であるニャンコ先生のことです。

はたして大丈夫なのだろうか。弟分に対して優しくしてくれるのだろうか。相性は合うだろうか。彼はすでに大人とも言えるわけですが、もう一方は怖いもの知らずの赤ちゃんニャンコ。

案の定、最初の1~2日はニャンコ先生の様子に大きな変化が見られました。無鉄砲に跳ね回るチョロ助を追いかけながらも、動悸と息切れがスゴいのです。我が家に来てからの約9ヶ月もの間には見られなかった物体ですから、彼としてもとても興奮したに違いありません。

しかし、3日目以降には徐々に落ち着きを取り戻し、どうやらコイツと一緒に暮らすのだと悟ってくれたようです。すでにニャンコ道の訓練も少しずつスタートしているようですが、手加減を知っているニャンコ先生が手加減を知らないチョロ助を指導するのは、見ていても大変そうです。

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意外だったのは、これまで甘えん坊だったニャンコ先生が一気に大人びて見え始めたことです。

もちろん、日々の訓練のなかでは、お互いに追いかけあったり噛み付きあったりして最後は自分の優勢を見せつけるわけですが、ひとたび休息の時間になると必ずチョロ助の見える位置に陣取って見守っているのです。さらには、チョロ助のカラダをペロペロと舐める様子も。

これまで私たちに見せなかった行動が、チョロ助が来たことによって表れ始めたニャンコ先生。まるで母性、いや父性が芽生え始めてきたかのようです。チョロ助をニャンコ先生の弟子としてニャンコ道を学ばせること。現在のところは、とても上手くいっているように見えるのです。

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もしかしたら、ニャンコ先生の小さい頃よりもワンパクでスタミナがありそうなチョロ助。もはやここには天敵がいないと見えて、その寝姿も実に態度がデカイのであります。もちろん先住ニャンコ先生の存在を尊重しながらチョロ助の指導を彼に一任し、よほどのことがない限り私たちは彼らの仲裁には入らずに見守ろうと思います。今日も幕が開く「ツーニャンズ劇場」。特に「大小ツーニャンズ劇場」は、ここ数ヶ月間の期間限定での開催となる貴重な舞台です。