味の店 銀座食堂

さて、13日に続いて14日は私の実家の墓参りへと。前日からの天気予報では、夜半から午前中にかけて局地的な雷雨になりそうだとのこと。それなら少しゆっくり起きて午後から出掛けようということになりました。途中で花を買って実家に立ち寄り、墓参りに向かう前に前日と同じパターンに。まずは腹ごしらえでしょう。チョッと行ってみる?軽く、ツルツルっと。

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村田町が誇る老舗の食堂。その名も「銀座食堂」。ずいぶん大掛かりな屋号であります。ロンドンオリンピックでメダルを獲得した日本選手団が銀座でパレードを行うようですが、できることならついでにこの銀座食堂の前も通って欲しいものです。と言うのも、実は過去にこの銀座食堂の前のメインストリートを、オリンピック選手がパレードを行ったことがあるからです。

村田町の出身である重量挙げの三宅義信選手。1960年のローマ大会で銀メダル、64年の東京大会と68年のメキシコシティ大会では金メダルという輝かしい結果を残した選手です。メキシコシティ大会では弟の三宅義行選手が銅メダル。そして今年のロンドン大会で銀メダルに輝いた三宅宏実選手は義行選手の娘と、重量挙げ界を代表するファミリーとなっています。

村田町でパレードを行ったのは、おそらく東京オリンピックの後でしょうか。すでに私も生まれていたはずですが、我が家には私の兄が祖母に抱っこされてパレードを見物している白黒の写真が額に入れて飾ってあります。幼かった私はどこかでグズっていたのかもしれません。

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話しは戻って「銀座食堂」。頼んだのはもちろんラーメンです。前日同様の猛暑に「つめたいラーメン」が一瞬だけ目にとまりましたが、いやいや男は黙ってラーメンでしょう。すると、カミさんもラーメンだと。なんと男気のあるヤツでしょう。ではラーメンを二つお願いします。

客席と厨房の間に設けられた小さな小窓。これは昔の食堂でよく見られた造りです。これまでも、この小窓のある食堂には数軒ほどお邪魔したことがありますが、この銀座食堂は小窓の下に小さな扉までが備えられています。まるで不思議の国のアリスのドア。出来上がった一品は上の小窓から登場し、それを運ぶお店の人は下の小扉をくぐって出てくるわけです。

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そして肝心のラーメン。おそらく約30年ぶりですから以前の記憶はありませんが、透き通った鶏ガラスープの中には鶏肉とメンマとかまぼこと海苔。スープの表面にはうっすらと脂の膜が張られていますが、意外にもすっきりした実に上品な味わいです。久しぶりにいただく王道とも言えるラーメン。店頭ののれんと同様に、献立表も「中華そば」が似合いそうでした。

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十分に納得できる500円のラーメン。遠い記憶も消し去られ、正直なところこれほど完成された一杯を味わえるとは思っていませんでした。同じ村田町内には思い出深い「松風食堂」や「丸金食堂」。そして過去には「村田食堂」や「おおばや」といった食事処もあったはずです。そのなかで、今回は創業80年近いという老舗の「銀座食堂」。次回は「肉うどん」でしょうか。