山元町のりんご

父親から電話があったのは、先週の中ごろだったでしょうか。「今年もりんごを買いに行くんだけど、あなたのところも食べるなら少し買ってあげるけど、どうする?」お~ ありがとうございます。でも、二人だから少しでいいですよ、少しで。「うん分かった。でも大丈夫か?」

え?大丈夫かって?何が?「ほら、今年は放射性物質を気にする人が多いから・・あなたはそういうの大丈夫かと・・」あ~なるほどね。言われてみれば。いやいや、喜んでいただきます!

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昨夜の「亘理町のいちご」に続いて「山元町のりんご」とは、まるで私がJAか青果関連の従事者だと思われそうですが、これはまったくの偶然であります。先週に父と電話でそのようなやり取りがあり、昨日に買ってきたというりんごを、本日わざわざ仙台へ届けにきてくれたのです。

ここ何年も山元町の特定りんご園からりんごを購入している父。はたして今年はどうなんだろうと電話してみたところ、通常通り出荷していると聞いて、さっそく山元町まで行ってきたとのこと。そこでは発送待ちの箱がいくつも積み重なっているのを見て、父も安心したようです。

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少しでいいですと言ったにもかかわらず、結局のところ届けてくれたのは16個入の「ふじ」を一箱。

「りんごが赤くなると医者が青くなる」というハナシを聞いたことがありますが、それにしても二人でこれを食べるには、りんごを主食にするか、夕飯のオカズにするしかなさそうです。

さっそくカミさんはおすそ分けへと電話をしていたようで、いくつかの行き先は決まったもよう。

箱に入れられていた「安全宣言」の紙。果物に限らず、生産者の皆さんにとって放射性物質に関する風評被害は致命傷となるのでしょう。あまり神経質になり過ぎるのもどうかと思いますが、私のようにまったく無頓着なのもいかがなものか、ということになるのかもしれません。しかし、闇市でもない限り、販売されているものは食べるということにしないと、神経が持ちません。

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何年か前に、欧米では「フードマイレージ」という考え方があると聞いたことがあります。

要は食料の輸送距離ということのようですが、ガソリンや軽油を燃やして食料を運ぶ距離が少なければ少ないほど、地球に優しくてその食べ物も新鮮なまま口に入るということなのでしょう。

実際に「フードマイレージ」は様々な計算を用いて測られるようですが、簡単に考えれば宮城県で収穫した食材を宮城県民である私がパクパク食べる、ということで良いのではないでしょうか。とてもジューシーな蜜入りの山元町産「ふじ」を頬張りながら、そんなふうに思いました。