よく、ゴルフなどでゲームの勝敗に何かを賭ける場合など、「握る」という言葉が使われます。そして、それが発展してなのか、営業の世界でも成績の結果に対して「握りますか?」などとインセンティブを上司に提案するケースもあるようです。よ~し。もし達成したら昼飯をごちそうしよう!そしてその賭けを制した勝者が手にするもの。それが握りランチなのです。
久々に寿司を口にする機会が訪れました。決して誰かと何かを「握った」わけではないのですが、たままた訪れたイオンタウン仙台泉大沢で昼食を取ろうとウロついていたところ、「うまい鮨勘」の前で足が止まってしまったのです。寿司か・・。いったい何様のつもりだ、寿司だなんて。殿様かよ。やはり今日も2階の「はなまるうどん」へとっとと向かうべきだ。
いらっしゃいませ~!おそらく誰かが私の背中を押したのでしょう。仮に満席でウェイティングボードでもあれば、「~様」のところに「殿」か「オレ」と書き入れてダッシュで逃げるところでしたが、空席を用意されていた店内へと、押されるように入ってしまったのであります。
まぁ、いいでしょう。座ってしまったからには、用事を思い出したフリをして帰る度胸よりも、ここで寿司を食べてしまう度胸のほうが軽そうです。このところお昼は肉まんで済ませる日が続き、もう少しで「コンビニ肉まん評論家」になれそうなところでしたが、寿司の味や形を忘れないようにするためにも、まぁいいでしょう。そのかわり、予算は野口英世氏お一人で。
久々の「うまい鮨勘」です。確か最初は回転寿司でスタートしたはずの「うま鮨」ですが、今ではカウンターが回るお店と回らないお店があるようで、一番町のタワービル西側にあるお店などは、回らないお店の典型としてなかなか繁盛しているようです。ここ泉大沢は回るお店ですが、1レーンだけ一応回しています的な雰囲気で、実際は注文して握ってもらうようです。
さて、ギリギリで予算内の握りランチ。握り寿司に天ぷら、小鉢にサラダ、そして汁物が付いて990円。通常は88円から588円の皿が用意されているらしい鮨勘では、おそらく千円以内で抑えるのは難しく、そう考えればこの握りランチはお得で安心勘定なのかもしれません。もしもこれで足りなければ、追加で何かを握ってもらう方法が、お腹にも財布にも優しそうです。
何を血迷ったか突然に食べてしまった、うまい鮨勘の握りランチ。天ぷらも揚げたて、汁物も熱々で大変美味しくいただきましたが、肝心の寿司は正直なところ「普通」と言えるかもしれません。
この内容で990円なら決してパフォーマンスは悪くありませんが、「寿司処 こうや」の1,050円ランチには僅かに及ばず。しかし、寿司の味と形を思い出させてくれた美味しい時間でした。
会計時に、私の財布から去ろうとする野口英世氏。うっすらと笑みを浮かべて私をじっと見つめている彼が、まるでこう言っているように思えました。君、よくも度胸を見せてくれたね。