ヤバい。ヤバいのです。仙台市からとっくに届いている特定健診受診券。行かなきゃ行かなきゃと思いつつも、今すぐに受診したらかなりヤバいことになりそうだと。
この夏の猛暑のせいで自転車に乗ることをすっかり怠っており、どうも最近お腹やアゴが、ぷにぷに気味。おそらくこの状態で受診したならば、またもやコレステロールがなんたらかんたらと言われそうなのであります。
これは、早急にカラダを仕上げる必要がありそうです。まるで高校時代の期末テストのように、一夜漬けで何とか体裁を整える作戦と同じ。たとえテストの翌日には一切何も憶えていなくとも、とにかく当日の数値さえ高得点をいただければと。さっそく作戦は開始されました。
猛暑のピークが過ぎ去った今、いつの間にか自転車に乗ることがとても心地良い季節になっていたようです。そして絶好の自転車日和となった今日、仕事の合間に向かったのは仙台市泉区の西部に位置する泉ヶ岳方面。まったくあての無い行き先でしたが、久々のペダルは特に重く感じることもなく、草木や花の匂いをダイレクトに運ぶそよ風も、この上なく気持ち良いのです。
根白石の町内を過ぎて泉ヶ岳方面へ向かおうとしたところ、途中で見つけた一軒の食堂。どうやら自宅の一画を食堂としているような雰囲気ですが、その郷愁感あふれるたたずまいに何となく惹かれてしまったのです。
そう言えば昼食も食べておらず、約1時間ほど走ったせいで喉も渇いています。しかも、これは間違いなく「町の食堂」。ということで、突入決定であります。
こんにちは~。すみませ~ん。奥の方で喋り声はするのですが、なかなか出てきてくださいません。
すみませ・・。やっと奥から出てこられたおっかさん。すみません、大きいお札しかないのですが、いいですか?とお聞きすると、あら、なんだべ。んで今日はごっつぉすっから、食べでいがいわ、と。この一言で、場が一気に和んだのは言うまでもありません。
思わず笑ってしまいましたが、いやいや、そうはいきませんよ。ラーメンがい?とおっかさん。ええ、そうですね。そう言いながら急いで店内を見渡すと、「美味しいみそラーメンをおすすめします」との張り紙が。おかあさん、みそラーメンにしてください。いいよ。みそラーメンね。
実にお喋り好きのおっかさん。厨房で「美味しいみそラーメン」を作りながら、いろいろと話しかけてきます。お兄さん、どっちから来たの?あっちです。私を「お兄さん」と呼んでくれた目の肥えたおっかさんは、何と昭和13年のお生まれだとか。まさに「おっかさん」なのです。
外の自販機で買ったペプシで喉を潤しながら、待つこと約15分。ご家族のことやご自身のこと、またこの地域のことなど、様々なお話しを聞かせてくださったおっかさん。出来上がったみそラーメンを運びながら、私も少しラーメン食べっかなぁ、と。お~一緒に食べましょうよ、どうぞどうぞと、対面でラーメンを突付き合う、まるで親子のような二人。至福の時間なのです。
おっかさんがお喋りに夢中になり過ぎたせいか、野菜も麺も少しだけグダグダ気味でしたが、コクのあるスープや具材たっぷりの「美味しいみそラーメン」は、あの狭い厨房から生み出されるものとは思えないほどの美味しさでした。
偶然にも通り掛かった「食堂 わしお」。親子二代で五十数年だというお店の歴史は、この由緒ある「根白石」の歴史から比べれば一時かもしれませんが、おっかさんのご商売に対する気持ちは、今もなお美しいこの地の自然と同じなのかもしれません。