フレンチごはん シェ・パパ

食堂やレストランに入った時、出された料理の美味しさ以外にも、いろいろと感じる場合がよくあります。あのスタッフの対応は素晴らしい・・このタレは何をどうやって作るのだろう・・この料理を作っている人はどんな人なんだろう・・・などと、様々な想像をふくらますこともあります。料理は「人」が作り出すものですから、延長線上の料理人に興味を抱くのも自然な流れです。

先日はカミさんの誕生記念日でした。毎年お互いの誕生日には特に大掛かりなことをやると決めているわけでもなく、気が向いたらサラっと食事に行く程度なのですが、今年はカミさんが小さい頃から可愛がっている姪たちも一緒に祝いたいと言ってくれたので、じゃぁせっかくだから、ふだんあまり口に出来ないものをとなり、「フレンチごはん」を予約したのであります。

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この類の食事となれば予約先は決まってくるわけですが、フレンチごはん自体が実に久しぶりで、このお店も何年ぶりでしょうか。広瀬通りのホテルリッチフィールドから晩翠通り方面へ、細い路地を右へ入ったところにお店を構える「Chez papa (シェ・パパ)」という仏食堂です。

オーナーシェフのS氏。実は義理の母の知り合いということもあり、私たちも昔から存じ上げているフレンチのシェフで、今回参加してくれた姪たちのことも30年ほど前の子供の頃をご存知。ずいぶん久しぶりの対面に、おそらくより一層腕を振るってくださったようです。

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仙台ホテルからスタートされたというS氏の料理人生。スイスへの修行の後に宮城第一ホテルへ。確か「ノア」という最上階のレストランでいただいた自家製アイスクリームの味は、今でも忘れることができません。東北大学艮陵会館のシェフに抜擢された後に、ホテル法華クラブへ。まさに仙台を土俵として歩んでこられたS氏の話す言葉は、もちろん仙台弁なのです。

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オーナーシェフとして独立されたこのお店は、すでに9年目に入られたそうで、仙台を地盤に活躍される料理人のなかでも、そろそろ古株のお一人に数えられるのかもしれません。しかし、常に直球勝負で仕事への厳しい眼光は、昔から何一つ変わっていないような気がします。

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ところで、この日の料理の数々。若い姪たちはもちろんですが、最近少食の私でさえスイスイと口に入るから不思議です。「ひらがなごはん」を推奨中の私がこのような食事をしていたらカラダが大変なことになりそうですが、年に一度程度、特別な日ぐらいは許してもらいましょう。

世界三大珍味が一気に味わえることとなった今回のおまかせコース。実はこれでも中ぐらいのお値段ですので、寿司店のカウンターで「おまかせ」を頼むよりも安く上がるのは意外です。主役だったカミさんも、料理の美味しさ同様に、愛する姪たちの笑顔も何よりだったようです。