御の字うな丼

どうしますか?この景気低迷の折、昼食に900円を投じるのは今の我々にとって暴挙と言っても過言ではなさそうですが、やっぱりアレがどうしても気になるのですよ。前回、心に決めたアレが。明日は昼飯抜きってことで、暴挙に出ましょうか。夏バテ防止の薬だと思って。

稲荷小路の「まる さんかく しかく」。以前から気になっていた献立が「うな丼」でした。くしくも、その数日前に「吉野家」で今年初めての「うな丼」を食べた後だったということもあってか、「まる さんかく しかく」のランチメニューで900円を提示する「うな丼」に目が留まったのも、意識のなかでは自然な流れだったのかもしれません。

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炎天下のなか、前回と同じ古い友人とお店へ向かったのは12時過ぎ。入店した時にはすでに満席近く、空いていたのは焼き場をL字で囲んだカウンターのみの様子。カウンターでもよろしいですか?よーござんす。今日の日替定食はチキンカツのなんたらかんたらでして・・。

もはやなんたらもかんたらも耳に入らず、うな丼2つお願いします!となったのであります。どうやら、ちょうどL字の隣り角に座られたおじさんも「うな丼」を注文されたご様子。もしや、意外な人気商品なのかもしれません。昨今騒がれているうなぎ高騰の折、メニューの価格は訂正されることなく900円のまま。もしや、うなぎの量を少なくされてしまうのでしょうか。

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待つこと十数分、驚くべきことにメニューに載った写真通りの「うな丼」が運ばれてきました。スゴい!今年はコレじゃ赤字でしょう?いつものお兄さんに冗談交じりで振ってみると、いや赤字ってことはありませんよ、と正直な回答。利幅が少ないのはしょうがないですね、と。

千円以下で「うな丼」自体を探すのも難しいなか、味噌汁はもちろん、出汁巻玉子、茶碗蒸し、小鉢、お新香、さらに食後の飲み物までがセットされて900円。うなぎの蒲焼きも、「吉野家」が550円で用意する「うな丼」はこの4分の3程度。これを見せられると、仕入れ量も売上もまったくスケールの違う「吉野家」には、もうチョッと頑張っていただきたいと思うのです。

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結果はご覧の通り「御の字うな丼」。正直申し上げて、「吉野家」で味噌汁を付けて600円の「三の字うな丼」を食べるなら、あと300円を上乗せしてもこちらが良いと感じるのです。

もちろん「吉野家」も「まる さんかく しかく」も本来は「うなぎ屋」ではありませんが、そのなかで自分たちが用意できること、お客を喜ばせる方法の考え方に、少しだけ違いがあるようです。

肝心の「うな丼」はやわらかく焼き上げられ、十分に美味しかったのは言うまでもありません。