食堂 井土浜や

久々に清々しいメニューボードを拝見しました。文字通り「献立」と題されたその献立表は凛々しく厨房口の上部に掲げられ、綺麗な書体で整然と書き記された献立に私はしばし目を奪われてしまったのです。しかも、どれもこれも美味しそうなものばかりで決められません。

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仙台市若林区の六郷中学校の向かいにお店を構える「食堂 井土浜や」。昨日に所用でこの近辺へ伺った際に、何となく気にはなったのですが立ち寄らず。それが尾を引いたのか、本日に再チャレンジしてみたのであります。個人的に好みの店舗形態である町の食堂。

町の食堂の役割りとしては、出来る限り多くの献立を揃えてお客様の多様な要望に応えなくてはならないのでしょうが、その点こちらのお店はなかなかの素晴らしさを見せます。中華類、うどん生そば類、飯類と大きく3つに分けられたカテゴリーの献立はどれもリーズナブル。

中華類や飯類というところはよくありますが、注目すべきはうどん生そば類もそれなりにきっちり揃えているところで、これなら老若男女どなたでも、食べるものがないということは無さそうです。

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ともかく、この献立では迷います。いっそのこと、ルーレットを回して決めて欲しいと思ったほどなのですが、そうもいかず。まさに初夏の陽気で気温も高かった今日、やはり冷し中華でしょうか。うん、今年初の冷し中華にしましょう。すみませ~ん、・・タンメンお願いします!

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結局のところ、冷し中華の「ひ」を発する直前で「た」と言ってしまった優柔不断な私ですが、食堂のタンメンは捨て難い一品だったことを思い出したのです。ほどなく運ばれてきたタンメンの少しだけラー油が注がれたスープを一口味わってみると、にんにくの強烈な香りが。これには不意を突かれましたが、望むところです。野菜も肉もたっぷりのタンメンは、絶品の献立でした。

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震災では、この辺りまで津波が到達したのでしょうか。それをお聞きすることはしませんでしたが、若林区の沿岸地区に近い場所であることは間違いありません。なんと昭和35年の創業だという「食堂 井土浜や」。これまで長きにわたり地域の皆様の胃袋を支え続け、そして今は食を通じて元気の源を提供しているのかもしれません。近々、また伺いたいものです。