これまでとはまったく異なる静かな月末。昨日はお手続きのために柴田町のお客様宅へ伺いましたが、今日は特に仕事上の出動予定も無いという、おそらく社会人になってから初めて経験する月末かもしれません。念のために、来月以降徐々に関わってくると思われる災害救助法の適用に関する件の確認作業や事務処理を終えて業務終了。じゃぁ、行きますか?
最近になってチラホラ聞こえてきていた「ヤマガタ作戦」。実は私も震災後すぐに思い付いていたのです。仙台からはそう遠くない山形でガソリンを入れてくるという作戦ですが、その頃の情報によると、山形でもガソリンを入れるのに長蛇の列だと。山形県を往復する距離のリスクを考えると、確実な情報のもとで確実な作戦を実行する必要があり、断念していたのです。
ところがここにきて、もうそろそろ山形のガソリン事情は好転したという複数からの情報が。しかも山形には私たちにとって願うところである「お風呂」がもれなく付いてくるという点も大きいわけです。温泉天国である山形まで行き、ガソリンを入れて風呂に入るという「ヤマガタ作戦」。
思い立って仙台を出たのが14時半。おそらく距離的には山形蔵王か天童、東根あたりが近いのでしょうが、今回は時間を優先してワンストップで願いが叶えられる寒河江に決定。カミさんの同僚からの情報により、山形自動車道の「寒河江SA」をETCで降りれば万事OKだと。
情報通り、まずは寒河江SAのガソリンスタンドで給油してから、付帯しているETC専用出入口を降り、目の前に構える「ゆ~チェリー」へと。3つの源泉掛け流しの温泉が、なんと300円。
数日ぶりの風呂が素晴らしい温泉で味わえることは、今この時期、ささやかな贅沢なのかもしれません。熱めのお湯は私のこり固まった身体を十分にほぐしてくれましたが、露天風呂で一人外を眺めていると、なぜか切ない気持ちになってしまうのも事実。仙台に比べれば多少は落ち着いて見える山形で温泉に浸かっても、「心」が完全にほぐれるには時間が必要です。
結局は、ガソリン、風呂、そして肉そば、という成果に繋がった今回の「ヤマガタ作戦」。意外にも見た目以上に強力な温泉のおかげで、長時間煮込まれたわけでもないのに私の身体は角煮のようにホロホロです。すぐ閉じそうになる目を擦りながら自宅へ着いたのが18時半。約4時間にわたる至福の作戦でしたが、道路や街が薄暗い仙台に戻ると、現実へと引き戻されるのでした。